「NANA」のある図書館−図書館が購入すべき本は何か その2

ITmedia オルタナティブ・ブログで、図書館で「NANA」を借りて読んだというエントリーがあった。

愛読書「NANA」 - 抱き込め!ユーザー、巻き込め!デベロッパー [ITmedia オルタナティブ・ブログ]
http://blogs.itmedia.co.jp/usrtodev/2007/11/nana_f1e2.html

図書館で「NANA」を借りて読むなんて、と思ったのだけど、このエントリーを最後まで読んでみたら、結局15巻まで自分で買ったとのこと。
10月30日付のエントリ「図書館が購入すべき本は何か」で、図書館は辞書を買え、と言うようなことを書いたので、その流れから言うと「図書館が「NANA」を買うなら辞書を買え」と言うべきなんだろうけど、ちょっと考えてしまった。
まず、その図書館がどういう図書館で、どのような蔵書構成をしているのかも分からないというのがある。
すごく大きな図書館で蔵書が充実している所かもしれないし、図書館の規模が小さく蔵書も貧弱だけどマンガがたくさんそろっている所かもしれない。「NANA」があるということだけで批判するというのでは、実態も知らずに「無料貸本屋」批判をしている人たちと同じレベルになってしまう。
それから、先のエントリで

自分が高校生の時は図書館からたくさんの本を借りて読んでいた。

と書いたが、その当時のことを思い起こして見ると、「NANA」を置くな、とは単純に言えなくなった。
中学・高校の時、SFやジュブナイルをたくさん読んでいた。ジュブナイルといっても、「時かけ」や「ねらわれた学園」などの古き良きジュブナイルから、当時はヤングアダルトとくくられていた、今で言うとライトノベルに近いものまであった。自分の小遣いで買える本は、文庫と新書(ノベルズ)だけだったけど月に数冊。数冊だとすぐ読み終わってしまうので、同じ本を何度も読み返したりもしたけど、図書館でその手の本を借りて読んだ。
いや、SFやジュブナイルだけではない。自分で買う気はしなかったけど読んでみたい本が図書館にあったら、それも借りていた。例えば「ノストラダムスの大予言」なんかがそう。
さすがに当時は図書館にはマンガは無かったと思うが、自分のこのような図書館体験を顧みると、図書館に「NANA」を置くな、とは言えない。
その図書館の予算や、蔵書構成に加えて、主たる利用者層、そしてその図書館の方針など、様々な要因を考えてみないと何とも言えない。
もちろん、一利用者としては、こういう本を買って欲しいということは言えるが、「図書館が購入すべき本は何か」という問題は、単純ではない。本当に難しい。