「県立図書館の再整備に関する意見交換会(第1回横浜会場)」に参加した。

7月14日に開催された「県立図書館の再整備に関する意見交換会(第1回横浜会場)」に参加して、意見を述べてきました。

「県立図書館の再整備に関する意見交換会」の開催 - 神奈川県ホームページ
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f534863/

現在、パブリックコメントも行われているので、参考になるよう、自分がそこでどのような意見を出したのか、そして時間が無くて発言できなかった内容をここに記します。
県の側の出席者は以下の通り。
人見 生涯学習部長、堀端 生涯学習課長、江藤 企画推進GL
井出 神奈川県立図書館長、島田 副館長、目黒 県立川崎図書館副館長
神奈川県立図書館から水品さん、小林さん、県立川崎図書館から古根村さん
他に司会と記録、マイク担当で数名。
2時間の意見交換会のは 30分区切りで大きく4つのパートに別れました。
最初のパートでは、挨拶と「県立図書館の再整備に向けた基本的な考え方(素案)」の説明。

「県立図書館の再整備に関する意見交換会」の開催 [PDFファイル/211KB]
http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/833781.pdf

その後意見交換に入ります。
意見交換の最初は「県立図書館の再整備の方向性について」の意見交換と質疑。対象となるのは素案の7頁〜12頁。
次に「県立図書館の再整備の方向性について」の意見交換と質疑。対象となるのは素案の13頁〜17頁。
最後は、その他についての意見交換と質疑。
このように分けたとは言え、参加する側としては言いたいことがたくさんあるので、個々のパートの対象を踏まえつつも、結構それにとらわれずに発言していました。県の側もそれをとがめるようなことはしなかった。
その場で出た意見は後日、県の方で記録を公開すると思うので、自分が何を言ってきたか、そして、言いたかったけど言えなかったことをここに記します。
まず、「県立図書館の再整備の方向性について」のところで言った意見。
「目指すべき県立図書館像」は妥当なものである。しかし、「目指すべき県立図書館像を踏まえた機能」の詳細については、気になるところや不足する部分がある。
まず、「専門図書館」としての機能のなかで、「社会・人文系を中心とした資料の充実を図る。」とあるが、資料の充実を図るには資料の購入費用が必要だ、神奈川県立図書館の資料購入費は非常にhんじゃくである。資料の充実を図ると言うのであれば、それだけの予算を担保して欲しい。
「魅せる図書館」としての機能として挙げられているのは、配架機能と展示機能だけだが、これで充分か? 配架機能の所では「NDCにこだわらないテーマ別での配架」が挙げられているが、TSUTAYA図書館では独自の分類が問題とされている。(自分が意見を述べる前に発言された方の意見でTSUTAYA図書館に触れていたのがあったので、ここでもTSUTAYA図書館に言及した) テーマ別での配架と言っても、県立川崎図書館で行われているクラスタのように、NDCをベースにした独自の配架にとどめて欲しい。
「魅せる図書館」と言うことであれば、自館の所蔵資料をいかに魅力的に提供できるかという観点から、資料についての研究機能の強化が必要では無いか。今でも資料紹介講座などを開催しているが、自館の資料についての研究強化は必要だ。
研究機能ということでは「価値創造の場としての図書館」の機能においても、図書館自体が価値創造を行う必要があると思う。例えば「神奈川県立図書館紀要」は現在隔年発行であるが、毎年発行や年2回発行するようなことも考えて欲しい。
冒頭の挨拶で井出館長が図書館の情報発信機能の強化を言われていたが、この素案には盛り込まれていない。図書館の情報発信機能は独立項目として記載すべき項目だ。
以上がこのパートで自分が述べた意見です。時間が押していたこともあり、県の側のコメントは要求しなかった。

次の「県立図書館の再整備の方向性について」の所では、質問と意見を述べた。
質問は、再整備後の収蔵スペースの収容冊数がどこにも記載されていない。それでは「概ね20〜30年分の蔵書増加に対応できる収蔵スペースの確保」と書かれているが、それが妥当かどうか判断できないので、再整備後の収蔵スペースの収容冊数をどの程度に想定しているのかを回答して欲しい。また意見として、県立川崎図書館の蔵書をどうするかによっても、収蔵スペースがどれだけ必要か変わってくる。2館体制を維持するのであれば、2館体制の将来像を示してもらわないと、県立図書館の再整備についての素案だけでは、それが妥当なものかどうか判断できない。
質問に対しては300万冊を想定しているとの回答を得た。

以上が自分の発言。

でも、発言しなかったこともある。と言うのも、同じ人が何度も発言するのでは無く、多くの方に発言の機会を与えようと言う、県の姿勢に納得したので、複数回発言した自分としては、無理矢理発言することを控えたので。それについてここに書いておく。

他の方の意見・質問として、川崎市議会が県立川崎図書館の問題について県に対して協議を求める議決を行ったが、それに対してどう対応するつもりか、と言うのがあった。それに対して人見生涯学習部長は、「これまで通り情報を提供し、必要に応じて協議を行う」と回答した。その人見生涯学習部長の回答に対して言いたいことがあった。
川崎市議会は、県との協議を行う必要があるので、市議会として議決を行っている。人見生涯学習部長の回答は、川崎市が必要と思っても、県は現時点ではそれを必要とは認めていない。県が必要と思うまで、市議会の議決があっても、県としてはそれを取り上げることは無い、と断言したものでは無いだろうか。

県の部長による発言は、市議会の議決の重みを、無視したもので、これは絶対に容認できる発言では無い。県は一刻も早く川崎市との協議を行うべきである。
神奈川県立図書館・県立川崎図書館の機能集約問題が起こってから、様々な団体や個人がいろいろな意見を県に出してきているが、県がそれに耳を傾けるつもりは無い、と言っているに等しい発言を「意見交換会」と言う場で行ったことは、とんでもない発言である。
県はその発言を撤回し、今すぐにでも川崎市との協議を行うべきだ。

これが、意見交換会で言わなかったことである。

「県立図書館の再整備に向けた基本的な考え方(素案)」に関する意見の募集は7月23日まで行われています。
多くの方に、意見を出していただきたいと思います。

「県立図書館の再整備に向けた基本的な考え方(素案)」に関する意見の募集について 意見募集(パブコメ)- 神奈川県ホームページ
http://www.pref.kanagawa.jp/pub/p1042102.html