これからの図書館像

文部科学省が「これからの図書館像」という報告書を発表した。

これからの図書館像−地域を支える情報拠点をめざして−(「これからの図書館の在り方検討協力者会議」報告書)−文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/18/04/06040513.htm

図書館を「地域を支える情報拠点」と位置づけ、あるべき図書館像、目指すべき図書館像について提言したもので、内容的には、まあ、まっとうなものだと思う。少なくとも「ビジネス支援図書館」よりかは良いと思う。*1
日本の図書館界は、「中小レポート」(isbn:4820473018)や「市民の図書館」(isbn:4820476009)という2つのバイブルがでた後は、目指すべき図書館像を確立することができなかった。1989年に「公立図書館の任務と目標」を発表しているが、発表当時から現在まで、言及されることはほとんど無く、影響力も無い。「これからの図書館像」が「市民の図書館」に変わるものになるかどうか、注目したい。
なお、「これからの図書館像」と直接的な関係があるかどうか分からないが、「地域の情報拠点」という点では、次の本が参考になる。

地域と図書館―図書館の未来のために

地域と図書館―図書館の未来のために

*1:本報告書の中でも「ビジネス支援」については語られているが、それは図書館のひとつの機能として取り上げられているのであって、「ビジネス支援図書館」こそ目指すべき図書館像だ、としているわけではない。その点については、私も同意見。