昨年読んだ漫画の中でも最も心に響いた作品のひとつに、上野顯太觔氏の「さよならもいわずに」がある。
- 作者: 上野顕太郎
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2010/07/24
- メディア: コミック
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昨年末の各種マンガランキングで上位に入っていた作品なので、ご存じの方も多いと思う。
まだ読んでいない方には是非読んで欲しいと思うのだが、できれば紙の本で読んだ方が良いと思う。
実は昨日、角川書店の電子書籍販売サービスのBOOK WALKERで、この作品の電子書籍版が発売された。
さよならもいわずに
電子書籍-BOOK☆WALKER-
http://blog.bookwalker.jp/?p=2709
自分は、電子書籍版でも持っておきたいと思ったので、紙の本も持っているけど、早速買ってダウンロードして読んだ。
やっぱり名作だな、と思いながら読んでいたところ、とあるページでその思い水を差す箇所があった。
106ページから107ページにかけてだが、作中である曲の歌詞を用いている場面があるのだけど、その歌詞のところにぼかしがかかっていて、歌詞が判別できないようにしてある。
そして、次のような注記がしてある。
※元版書籍では、ここから4コマには、
中島みゆき作詞・作曲「あした」の歌詞が引用されていました。
電子書籍では、権利関係の事情から、
収録を見合わせております。ご了承ください。
読む側として、自分には了承できない。
「引用」だったら権利処理はいらないだろう、という突っ込みはあえてしないでおこう。
紙の本だったら収録できた歌詞が何で電子書籍では収録できないのか。
納得できない。
というのも、このマンガの最後のほうで、他のマンガのコマを用いているところがある。
他のマンガのコマを収録するのはOKで、歌詞の収録はNG、それじゃあ納得できない。
いや、そんなことより、マンガを読んでいてその途中に前述のような注記が出てくるだけで、興ざめだ。
こんなにすばらしいマンガなのに、それを台無しにしてしまう。
自分は紙と電子書籍の両方が出ていれば電子書籍で読みたいと思っているが、今回だけは、電子書籍で読むんじゃなかった、と後悔した。
本当に「引用」なら権利は及ばないが、仮に権利が及ぶもの(「引用」ではないもの)であるなら、きちんと権利を処理して欲しい。
電子書籍だから歌詞を収録できない、というのは、読む側としては納得できない。