【速報】神奈川県立図書館は立て替え、県立川崎図書館はKSPへ

神奈川県立図書館・県立川崎図書館について、議会で動きがあったようだ。

本日、自民党桐生英昭議員が代表質問で県立図書館のあり方についての質問を行っている。

その質疑について、市川よし子議員が次のようにツイートしている。


さらに、神奈川新聞の佐藤記者も次のようにツイートしている。

市川議員と佐藤記者のツイートから確認できることは、次の2点

  1. 紅葉ヶ丘の神奈川県立図書館は建て替えを検討
  2. 神奈川県立川崎図書館は殿町では無く、かながわサイエンスパーク(KSP)に機能移転(一部か全部かは不明)

現時点では、まだ新聞報道もされていないので、情報が限られているが、まずは速報としてこのエントリーを書きました。
新聞記事報道等、詳細が確認できた時点で改めてエントリーを書くつもりでいます。

神奈川県立川崎図書館の統合先? のライフイノベーション特区中核施設

神奈川県立図書館の閲覧・貸出機能の廃止、川崎図書館の廃館と蔵書の県立図書館への集約という打ち出し方をされた神奈川県立図書館・神奈川県立川崎図書館の集約問題が、県立図書館の閲覧機能の存続と県立川崎図書館のライフイノベーション特区の殿町への移転及び特区に県が設置する産業情報センターとの統合ということで、とりあえずの方向性が出されてから約半年が過ぎたが、その後は県による意見交換会が開催されるなどがあったが、大きな動きは出てこなかった。
今月始まる神奈川県議会において何か出てくるかと注目していたが、9月5日に県提出予定議題が公表された。

平成25年第3回県議会定例会(9月提案分)提出予定議案の概要 - 神奈川県ホームページ
http://www.pref.kanagawa.jp/prs/p693347.html

県が9月補正予算案を発表、総額69億円/神奈川:ローカルニュース : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞社
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1309050030/

神奈川新聞の記事で大きく取り上げられたのが、補正予算案の中に盛り込まれたライフイノベーションセンター(仮称)の整備推進。

県は5日、再生・細胞医療分野の研究開発や事業化を手掛ける全国初の中核施設「ライフイノベーションセンター」(仮称)を、川崎市臨海部に整備する方針を明らかにした。

http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1309060001/

センターには、再生・細胞医療の研究に関係するベンチャー企業や大学、研究機関などを誘致する。臨床機能を持つ医療機関も備え、先端医療の実践に向けたマッチングを図る役割も果たす。組織などの再生医療や、がん免疫治療といった細胞医療の事業化を加速させるとしている。

http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1309060001/

この「ライフイノベーションセンター」は特区の中核施設という位置づけのようだが、特区の中核施設こそ、県立川崎図書館の移転・統合先である。*1
ということで「ライフイノベーションセンター」について、県の提出予定議案の概要を見てみた。

平成25年第3回県議会定例会(9月提案分)提出予定議案の概要(PDFファイル/1.1MB)
http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/621571.pdf

ライフイノベーションセンターについては上記ファイルの8ページに記載されているが、そこからこの施設の概要を抜粋する。

(2)施設規模 延床面積 16,000 ?
(3)施設機能
・研究開発機能(ベンチャー企業向けのレンタルラボ・オフィス等)
・試作開発機能(再生・細胞医療関連の最新機器・デバイス試作開発)
・臨床機能(最新の再生医療技術を実践・提供するクリニック)
・生産機能(細胞プロセシングセンター等における細胞やワクチンの製造)
・人材育成機能(再生・細胞医療機器の取扱いに関するトレーニングコース等)
・産業化支援機能(ビジネスマッチング相談コーナー等)

施設機能に図書館機能は明記されていない。関連するとしたら「産業化支援機能」だろうか?
これだけではよく分からない。議会での質疑の中で明らかになっていくことを期待したい。神奈川県議会議員の皆様には、是非この「ライフイノベーションセンター」県立川崎図書館が移転するのかどうか、移転するのであれば、どのような形で入るのか、その点を質問していただきたい。


心配しているのは、産業化支援機能のビジネスマッチング相談コーナーの片隅にちょっとだけ本が置くというような状況になってしまわないかということだ。
と言うのも、県知事の6月議会での答弁から、県立川崎図書館の一部だけを移転するようなニュアンスを感じるからだ。
それは平成25年神奈川県議会第2回定例会6月12日の自民党しぎた議員の質問に対する答弁だ。

知事
次に、中核的支援施設の整備についてお尋ねがありました。
川崎市の殿町地区は、企業や研究機関の進出が次々と決定しており、また、県主導でスタートしたGCCや、特区の各事業も着実に進展するなど、京浜臨海部特区全体が大きく動き出したと感じています。
こうした中、ライフイノベーションの実現を加速させる上で、県がその役割をしっかりと果たすことが求められています。特に集積が進む殿町地域において、例えば研究者が交流する場や、ベンチャー企業が活躍できる場、国際的な医療関連人材を育てる場、産業関連の情報提供を行う場など、こういった機能を有する県の政策展開の拠点づくりが必要となっています。
そこで、こうした取り組みを具体化させるため、県の主導により、スピード感を持って殿町地区への中核的な支援施設の整備を進めていきたいと考えています。
なお、産業関連の情報提供については、川崎図書館が有する機能のうち、先端技術や特許にかかわる情報提供など、企業活動の支援につながる機能に特化し、この施設へ移転する方向で検討しています。

私は、県立川崎図書館が殿町に移転するのであれば、それは仕方の無いことだと思う。現在の場所が川崎市の土地であり、その地域の再開発の予定があるので、いずれはどこかに移転しなければならないので、その場所が確保されたということはむしろ歓迎すべきことだ。
しかし、ライフイノベーション特区に移転することで、ライフイノベーション特区のための施設、ライフイノベーション特区へのサービスに特化した図書館になってしまうのであれば、それは県民のための施設である県立川崎図書館を廃止するのと同じことになってしまう。
ライフイノベーション特区にあったとしても、県民のための施設であることをやめてはならない。県民に対するサービスをやめてはならない。
これからはそのことを私は強く訴えていきたい。
県議会でどのような答弁がなされるかも引き続き注目していく。

*1:県知事の3月議会での答弁より。 廃止方針撤回の県立川崎図書館、臨海部への移転を検討/神奈川:ローカルニュース : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞社 http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1303120009/ 

読む自由

表現規制問題に対して「表現の自由」が主張されることが多い。

もちろん「表現の自由」って本当に大事なものなので、それを主張することは当然だと思う。

でもそれだけだと、不充分ではないかと思うことがある。

「表現の自由」って言うと、表現する側だけの自由って捉えられてしまうおそれがあるから。

「表現の自由」とセットで「読む自由」がある。

自由に表現されたものを「読む自由」。

この「読む自由」は、表現する側だけで無く、万人に認められなければならないものだ。

「読む自由」が無ければ、「表現の自由」が補償されていたとしても、読むことを制限されてしまうことになる。それでは意味が無い。

「表現の自由」は「読む自由」とセットになって意味がある。

そして「読む自由」は、自由に表現されたものに「アクセスする自由」があってこそ、存在しうるものだ。

「表現の自由」を主張する際には、「読む自由」「アクセスする自由」が背後にあることを分かってもらえるようにして欲しいと思う。主張する側も、受け止める側も。

10周年

2003年7月9日にこのブログ(ダイアリー)の最初のエントリーを書きました。

日記と掲示板はじめます - Copy & Copyright Diary
http://d.hatena.ne.jp/copyright/20030709/p1

ということで10周年をむかえることができました。
2011年以降は月1回の更新も出来ていないので、ちゃんと継続できているとは言い難い状況ではありますが、10年という節目をむかえることができたというのは、感慨深いです。

最初は続けられるかどうか分からないまま始めましたが、半年ぐらい経つと著作権法改正で書籍雑誌への貸与権適用の問題が自分に取っては大きな問題として出てきましたが、同時にレコード輸入権の問題が出てきて、著作権法改正反対のスタンスということで、多くの方と知り合うことが出来ました。
さらに「ユリイカ」や「ず・ぼん」に原稿を書く機会をいただきました。

ユリイカ2005年4月号 特集=ブログ作法 あるいはweblog戦記

ユリイカ2005年4月号 特集=ブログ作法 あるいはweblog戦記

と、ここまで書いて、5年前にも同じようなことを書いていたことを思い出しました。

5周年 - Copy & Copyright Diary
http://d.hatena.ne.jp/copyright/20080709/p1

5年前に今書きたいことは全て書いてしまっているので、これ以上書くことはありません。

更新頻度はだいぶ落ちていますが、これからもここで色々と書いていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。

「県立の図書館についての意見交換会」の意見交換の内容が公開された

5月末〜6月頭にかけて3回開催された「県立図書館についての意見交換会」の意見交換の内容が公開されました。

県立の図書館についての意見交換会の開催について - 神奈川県ホームページ
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f470252/

自分は5月30日に県立川崎図書館で開催された回に参加しているので、その回にどのような意見が出されたのかは分かっていますが、他の回にどのような意見が出されたのかを読むことが出来て、良かったです。

ただ、この意見交換会が開催されてから、県から表立った動きは出てきておらず、6月の県議会でも代表質問等では特に取り上げられていないようなので、現在どのような状況になっているのかが分からないのが、少々不安です。

神奈川の県立図書館を考える会が政策提言を公表

「神奈川の県立図書館を考える会」が政策提言「民間からの政策提言−これからの県立図書館像」完成版を公表しました。

神奈川の県立図書館を考える会 - 神奈川の県立図書館を考える会が作成した、政策提言「民間からの政策提言−これからの県立図書館像」完成版...
https://www.facebook.com/KanagawaLib/posts/464770150280451

この政策提言は、5月1日〜5日に開催されたアイデアソンで出されたアイデアを元にまとめられたものです。
私もアイデアソンに参加している*1ので、私の意見もこの政策提言には盛り込まれています。

提言の形にまとめたのは岡本真さん(id:arg)、そしてまとめるにあたって協力された方々の力によって、すばらしい提言になったと思います。(まとめる際には、私はほとんど何もしていません)
まずは、この提言を多くの方に読んでいただきたいと思います。
そして、神奈川県にこの提言を読んでいただき、神奈川県立図書館、神奈川県立川崎図書館をより良い図書館にしていただきたいです。

*1:自分は5月3日は欠席し、5月4日は遅刻しましたが、それ以外は全部参加しました

「県立の図書館についての意見交換会」に参加してきた

神奈川県立図書館・県立図書館の再編問題について、県が意見交換会を開催しています。

県立の図書館についての意見交換会の開催について - 神奈川県ホームページ
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f470252/

本日開催された第2回、川崎会場に参加してきました。
参加者は24〜5名程度。
県の側からは神奈川県の生涯学習課、館長、県立図書館・川崎図書館の方、総勢7〜8名程度。
取材の方も数名見えていました。時間を少し延長して2時間15分程度でした。

会場からは様々な意見が出て、ついワナワナしてしまうような意見もありました。県の代わりに自分が回答したくなってしまうこともありました。
一方で、よくわかってらっしゃる、という意見も多く、全体としては良い意見交換会ではなかったかと思います。
参加者の方々は、自分が予想していた以上に、県立図書館の役割を理解していたと思います。よくある二重行政批判はほとんど出てこなかったです。
委託や指定管理の話題も出てきましたが、神奈川県立両図書館の司書の方の専門性を高く評価していて、それを維持・協会する方向性の意見が多かったように思います。生涯学習課の方も、司書の専門性をどう維持するかについて考えているような回答をされました。

一方で気になったのが、川崎図書館の殿町移転について、移転先の姿が全然見えてこなかったこと。生涯学習課の方も、まだ何も決まっていない、と繰り返すだけ。こういうものを作って行くんだというものが見えてこなかった。
知事が殿町に移すという答弁を議会にしたので、その方向で進めるしかない、というスタンスの発言には正直残念でした。

さらに驚いたことがありました。
県は2月18日に緊急財政対策の取組状況という資料を公表し、その中の県有施設見直しのロードマップを掲載しています。

緊急財政対策の取組状況(平成25年2月18日) [PDFファイル/1.77MB]
http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/life/610775_1311132_misc.pdf

その中で県立図書館・川崎図書館について、平成30年度当初に集約化等と記載しています。
このロードマップの公表後に、県議会において、川崎図書館の市内での存続の答弁が教育長によってなされ、殿町移転の知事答弁もなされました。
議会での答弁がなされているので、当然このロードマップはもう見直されているのかと思ったのですが、しかし、生涯学習課の方の発言によると、このロードマップに代わるものはまだ無い、なのでこのロードマップはまだ活きているとのことでした。
県立川崎図書館の集約化の対象が紅葉ヶ丘の県立図書館から、殿町に新しく出来る産業情報センターに変わっただけで、30年度当初に集約化に変更は無い、ということなのです。
生涯学習課のこの見解には正直驚きました。
川崎図書館は集約化されることに変わりは無い、ということでは、今の県立川崎図書館の機能がどうなるのか、とても心配です。
まだまだ安心はできないと実感した意見交換会でした。

なお、意見交換会の内容は、他会場の回も含めて、後日ホームページに掲載されるとのことです。

先日、市町村との意見交換会の内容についてもwebで公開されました。

県立の図書館の見直しにかかる市町村立図書館との意見交換等について - 神奈川県ホームページ
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f470358/

これまで、県は図書館の見直しについての情報発信は消極的という印象でしたが、このように情報発信を行ってくれるのはありがたい。
できれば、県のトップページなどでも案内するなど、もっともっと積極的にアピールして欲しい。