公立図書館貸出実態調査

朝日新聞の文化面に結構大きな記事が出た。

五体不満足」70万回「鉄道員」38万回…
図書館貸出 進む集中化
初の全国調査「模倣犯」読者、3割は借りて
朝日新聞. 2003年10月29日(水)33面(文化総合)

まあ新聞が書けばこんな感じになってしまうだろう、という感じの記事。
新聞社も本を出しているので、出版社側や作家側寄りである。
それにしても、糸賀氏がこんな発言をしていたのには失望した。

調査からは、想像以上に読者の本選びの多様性が失われていると感じた。

そもそも調査対象はベストセラー、各賞の受賞作、その文庫版の計80点に過ぎない。
ベストセラーと各賞の受賞作と言うことでは、どれも話題の本である。これらしか調査せずに、何で「多様性が失われている」と言えるのだろうか。
実態に基づいた冷静な建設的な議論をするために調査を行ったはずなのに、その調査を行った人が、数字に基づかない感想を述べるのであれば、調査を行う必要は無いではないか。
こんな状況では、冷静な建設的な議論なんて望めない。