開かれたワーキングチーム

現在行われている文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会でワーキングチームが設置されることになったようだ。
まだ議事録は公開されていないが、7月24日に開催された文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会(第2回)の配付資料に記されていた。

文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会(第2回)議事次第|文化庁
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hoki/h27_02/

資料1ワーキングチームの設置について(案)(45KB)
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hoki/h27_02/pdf/shiryo1.pdf

設置されるのは「新たな時代のニーズに的確に対応した制度等の整備に関するワーキングチーム」。
検討課題は

(1)新たな時代のニーズに的確に対応した権利制限規定やライセンシング体制等の在り方について
(2)その他

http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hoki/h27_02/pdf/shiryo1.pdf

正直これだけでは具体的にどのような検討がなされるのかイメージできないが、でもこのワーキングチームには一つ期待できることがある。
それは、ワーキングチームの議事が公開されることだ。

これまで文化審議会著作権分科会の各小委員会に設置されていたワーキングチームは、非公開のものだった。
傍聴は不可で、議事も要旨しか公表されず、どのような議論がなされているかはほとんど分からなかった。
このブログでも、過去にその点を批判してきた。

ワーキングチームという密室 - Copy & Copyright Diary
http://d.hatena.ne.jp/copyright/20101001/p1

パロディについての検討がワーキングチームという密室の中で始まった - Copy & Copyright Diary
http://d.hatena.ne.jp/copyright/20120724/p1

でも、今回のワーキングチームは違う。「ワーキングチームの設置について(案)」にはこのように記されている。

(議事の公開について)
3 ワーキングチームの議事の公開については、「文化審議会著作権分科会の議事の公開について(平成22年2月15日文化審議会著作権分科会決定)」に準じて行うものとする。

http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hoki/h27_02/pdf/shiryo1.pdf

この「文化審議会著作権分科会の議事の公開について(平成22年2月15日文化審議会著作権分科会決定)」も参考資料として掲載されているが、現在の文化審議会著作権分科会及び各小委員会はこの決定に基づき公開されているので、傍聴は可能だし、議事録も発言者名も含めて公開されることになる。

文化審議会著作権分科会の議事の公開について
(平成二十二年二月十五日文化審議会著作権分科会決定)

ワーキングチームで方向性が決められて、小委員会ではそれを追認すると言う流れができていただけに、ワーキングチームが公開されるのはとても大きい。
文化庁の今回の動きを私は評価する。

追記

平成25年に設置された「著作物等の適切な保護と利用・流通に関するワーキングチーム」でも議事は公開されていたとの指摘をいただきました。

著作物等の適切な保護と利用・流通に関するワーキングチーム|文化庁
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hoseikihon/

確かに詳細な議事録が公開されていました。

著作物等の適切な保護と利用・流通に関するワーキングチーム(第1回)議事次第|文化庁
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hoseikihon/h25_hogo_01/index.html

(第2回)議事次第|文化庁
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hoseikihon/h25_hogo_02/index.html

ご指摘ありがとうございます。