佐々木譲氏はやっぱりすごい

2ヶ月ちょっと前に「佐々木譲氏がすばらしい」というエントリーを書いた。*1
このエントリーはその続き。


佐々木譲氏がGoogleのブック検索についてブログに書かれている。

佐々木譲の備忘録 : いわゆるGLP問題について
http://sasakijo.exblog.jp/8142820/

佐々木氏は

わたしはgoogleに対して、自分の著作物のネット公開を拒絶する意志表示はしない(和解に参加する)。

いわゆるGLP問題について : 佐々木譲の備忘録

と語っている。
佐々木氏が和解に参加する理由を述べている箇所が、感動的だ。

わたしは公立図書館に自分の著作物が買い上げられ、これが無料で利用者の閲覧に供され、あるいは貸し出される制度を支持する。同じように、インターネットというテクノロジーを人類が手にしたこの時代にあって、自分の著作が、ネット上「でも」読めるようになったことを喜ぶ。「商品」としての本の流通とはべつに、自分の書いたテキストが、ネットを通じて世界の誰かの目に届く可能性が拡がったこの時代を歓迎する。

わたしには、ネットを含めた多くの「無償のアクセスの回路」を通じて誰かの著作に接し、自分の読書生活を豊かにしてきたという実感がある。著作者としての立場から言っても、わたしには公立図書館と同様に、ネットが必要である。それらはわたしの将来の読者、将来のわたしの本の購入者を作る土壌にはなりえても、読者を減らす木枯らしにはならないはずである。

いわゆるGLP問題について : 佐々木譲の備忘録

佐々木氏は自分の書いた作品を、自分の書いた作品の力を信じているのだと思う。
そして自分の作品だけでなく、読者を信じているのだろう。
だからこそ、自分の作品が誰かに触れられれば、作品に触れた人が、将来の購入者になっていくと信じられるだ。


私は佐々木氏のように読者を信じている作家を応援したい。

これまでに読んだ佐々木譲氏の本

先のエントリーを書いてから、佐々木氏の本を買って読んでいる。
読んだ順にタイトルを上げる。

笑う警官 (ハルキ文庫)

笑う警官 (ハルキ文庫)

警察庁から来た男 (ハルキ文庫)

警察庁から来た男 (ハルキ文庫)

警官の血 上巻

警官の血 上巻

警官の血 下巻

警官の血 下巻

制服捜査 (新潮文庫)

制服捜査 (新潮文庫)

くろふね (角川文庫)

くろふね (角川文庫)

武揚伝〈1〉 (中公文庫)

武揚伝〈1〉 (中公文庫)

武揚伝〈2〉 (中公文庫)

武揚伝〈2〉 (中公文庫)

武揚伝〈3〉 (中公文庫)

武揚伝〈3〉 (中公文庫)

武揚伝〈4〉 (中公文庫)

武揚伝〈4〉 (中公文庫)

北辰群盗録 (徳間文庫)

北辰群盗録 (徳間文庫)

夜にその名を呼べば (ハヤカワ文庫JA)

夜にその名を呼べば (ハヤカワ文庫JA)

最近評価の高い警察小説から読み始めてはまったが、「風雲児たち」ファンの私にとっては「くろふね」と「武揚伝」がたまらない。
他の作品も、外れはない。
これからも佐々木譲氏の本を買って読みたいと思う。

*1:このエントリーを書いた後で佐々木譲氏がブログを移転し、旧ブログはアクセスできない状態になっている。そのためこのエントリで取り上げた佐々木氏のエントリーは、現時点ではアクセスできない。