復刊ドットコム奮戦記
復刊ドットコム奮戦記-マニアの熱意がつくる新しいネットビジネス
- 作者: 左田野渉
- 出版社/メーカー: 築地書館
- 発売日: 2005/07/29
- メディア: 単行本
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復刊リクエストから、出版社・著者との交渉を経て、復刊にいたるまでの過程が、とても面白くて、一気に読みました。
とある作家との復刊交渉のエピソードの中で
著作物は法的には著作権者の物ではあるが、それをリリースした後は、道義的には読者のものでもあるはずという思いを伝えました。
(174ページ)
とありますが、このような思いで復刊事業を行っていることに、非常に共感を覚えました。(残念ながら、この作者との交渉は実りませんでしたが)
また本書の最後の方で、「復刊の最前線からみた出版権と著作権」についてもふれています。(246-250ページ)
出版社や著作権者と復刊交渉を行っているので、この問題は非常にデリケートだと思いますし、必ずしも著者の意見に全面賛成というわけではありませんが、
しかし、合理性を欠いた世間体や感情で、著者と読者の出会いが失われることは哀しいことです。
とか
もはや個々の企業権益よりも、日本の読書人口を育てる視点が、業界自らを守る礎となることでしょう。
という意見には賛同します。
他にも興味深いエピソードや、これまで知らなかった出版界の仕組み・動きなども紹介されていて、とても興味深く読みました。
本が好きな人には是非とも読んでもらいたい一冊です。