CCCDは何だったのか

エイベックス、「コピーコントロールCD」の採用を弾力化
http://it.nikkei.co.jp/it/news/release.cfm?i=2004091705029j6&h=1

ITmedia ライフスタイル:エイベックス、CCCDの弾力運用を決定――SA-CD、DVD-Audioを推進
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0409/17/news027.html

エイベックス、CCCDの採用を弾力化。現場スタッフが採用決定
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20040917/avex.htm

エイベックス、CCCDからスーパーオーディオCD/DVDビデオへ移行――iPod効果か?
http://ascii24.com/news/i/mrkt/article/2004/09/17/651607-000.html

エイベックス、CCCD弾力運用へ - CNET Japan
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20074663,00.htm

エイベックス、CDコピーコントロール機能採用を弾力化 - asahi.com : 経済
http://www.asahi.com/business/update/0917/118.html

エイベックス、コピー不可CD全面採用を軌道修正
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20040917AT1D1701Q17092004.html

エイベックス:CCCDの採用を弾力化へ、ソニーミュージックも追従の方向
http://www.mainichi-msn.co.jp/it/solution/news/20040917org00m300103000c.html

複製防止CD見直し広がる・SMEも全面廃止検討
http://it.nikkei.co.jp/it/news/index.cfm?i=2004091807027j0

CCCDとは何だったんでしょう。
私はCCCDはユーザーの利便性を奪うもの、だったと思います。
パソコンで音楽を扱えるようになったことで、ユーザーにとってはとても便利になりました。
例えば、MP3プレーヤーで音楽を聴いたり、好きな曲を編集してオリジナルのCD-Rを作ったり、大量の曲をPCに取り込んでランダムに再生したり、様々なことが簡単にできるようになりました。
確かに違法なコピーやファイル交換が増えたという面があったかもしれませんが、合法な範囲内で音楽を楽しむためにパソコンを活用していた人も多かったはずです。
CCCDは違法なコピーを防ぐ(とは言え、それは不完全なものでしたが)ことを目的に導入されたのだが、それは結果的に、パソコンで音楽を扱う利便さをユーザーから奪ってしまった。
ユーザーにとってはサービスの低下でしかなかった
違法なコピーによって売り上げが低下している、と音楽業界は主張したけど、違法なコピーを防ぐためにCCCDを導入しても、売り上げは回復しなかった。
サービスの低下はユーザーの離反をもたらしただけの結果に終わったと、私は思う。
ユーザーの利便性を奪うことで、売り上げを回復することができる、と考えること自体が、そもそも間違っていたのではないだろうか?

ところが今、ユーザーの利便性を奪うことで、売り上げを回復しようとしている業界がある。
出版界がまさにそうだ。
貸与権を導入でレンタルブックに規制をかけることに成功し、その次に新古書店マンガ喫茶、図書館を規制しようと動き始めている。
ユーザーが本と出会うルートを規制し、新刊書店で購入する以外の方法で本を読んではいけない、

出版界が音楽業界より絶望的だと思うのは、ユーザーの利便性を奪うことを主張したのは音楽業界はレコード会社であったが、出版界では出版社以上に作家やマンガ家がその主張をしていることだ。
一部のミュージシャンはCCCDでは自分の満足できる音楽を提供できないとして、CCCDに反対していた。
ユーザーの利便性を奪うことよりも、よりよい音楽を提供することを優先させていた。
しかし、出版界では作家やマンガ家が中心になって、ユーザーの利便性を奪おうとしている。
よりよい作品を提供することよりも、ユーザーの利便性を奪うことに、作家やマンガ家が力を注いでいるのである。(もちろん、すべての作家・マンガ家がそうだというわけではないが)

ユーザーの利便性を奪っても、売り上げは伸びないことはCCCDの失敗が示した。
ユーザーの利便性を奪うことは、ユーザーの離反を生むことをCCCDの失敗が示していると私は思う。

作家やマンガ家は、ユーザーの利便性を奪うことに尽力するのではなく、よりよい作品を生み出すことに力を注ぐべきではないだろうか。