国立国会図書館の独立行政法人化

mixiの司書コミュで知って驚きました。

Sankei Web 政治 国会図書館、独法化へ 自民行革本部、国会改革の目玉に(02/02 10:20)
http://www.sankei.co.jp/news/060202/sei028.htm

国立国会図書館独立行政法人化することが、国会改革の目玉、というところに、発想の貧困さを感じてしまう。国会改革というのは、国会のあり方をどう改革するのか、ということだと思うのだが。

それはともかく、国会図書館独立行政法人化された場合、私たちのどのような不利益が起こるのだろうか。
記事に

独法化は国会職員の非公務員化と、不透明とされていた運営内容の情報開示を促進するのが主な狙いだが、問題視されていた副業拡大を自由に行えるメリットも生まれてくる。

とある。この「副業拡大」というのが、一番の問題だ。
国会図書館の「副業」とは何だろうか?
一番おそれているのは、国会図書館のサービスに対価を求めることをすることだ。
国会図書館のサイトでは様々な情報提供を行っている。
NDL-OPAC国会図書館の蔵書データベースで、国会図書館の所蔵が調べられる。国会図書館は国内で発行された出版物を全て収集する義務があるので、その蔵書データベースは、まさに国内最大級の図書のデータベースだ。*1
そのNDL-OPACの中に「雑誌記事索引」というのがある。国会図書館が自館で所蔵している雑誌の中から一定の基準に基づいて、雑誌記事をデータベース化している。キーワード付けや抄録の作成は行っていないので、検索精度が低いのが難点だが、簡単な検索や著者名から検索する場合などは、これでも結構役に立つ。
また近現代デジタルライブラリー貴重書画像データベースなどは、私が直接利用することはほとんど無いが、その分野の研究者などにとっては、非常に重要なサービスだと思う。
他にも、様々な便利なサービスを、サイト上で提供している。
一番おそれているのは、独立行政法人化によって、これらを利用するのに料金を支払わなければならないようになってしまうことだ。
独立行政法人化が即サービスの有料化に繋がるというわけでは無いと思うが、国会図書館が「副業」をしなければならない、というのは、非常に貧しい状況だと思う。

*1:もちろん100%収集できているわけではないが