図書館貸出増加の鈍化
asahi.com、YOMIURI-ONLINE、NIKKEI-NETより
小学生は年間17.1冊 図書館の貸出数、過去最高に
http://www.asahi.com/national/update/0919/041.html不景気も影響?図書館貸し出し過去最高
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20030919it12.htm小学生1人の図書館貸し出し、2001年度は17.1冊
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20030920AT1G1902C19092003.html
文部科学省が19日に発表した「平成14年度社会教育調査中間報告の概要」についての記事である。
見出しだけ見てみると、図書館の貸出冊数が急増しているような印象を受けるが、実際はそうではない。図書館利用増加の傾向が鈍化しているのである。
この記事の元となったデータは下記URLで見ることができる。
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/004/h14/03091902/007.htm
ここには平成元年度からのデータが時系列で掲載されている。
貸出冊数をもとに増加数、伸び率を計算してみた。
貸出冊数 増加数 伸び率 平成元年度 266,020,751冊 平成 4年度 323,606,639冊 57,585,888冊 21.65% 平成 7年度 404,160,602冊 80,553,963冊 24.89% 平成10年度 480,422,204冊 76,261,602冊 18.87% 平成13年度 520,831,316冊 40,409,112冊 8.41%
これを見ると、平成7年度をピークに増加数・伸び率とも下がってきている。
NIKKEI NETの記事に
同省は全体の傾向について「不況の影響などで、原則無料で借りられる点に人気が集まっているのでは」(調査企画課)と分析。書籍代の節約などのため、成人層を中心に身近な公共図書館を積極的に利用している実態が浮かんだ。
とあるが、上記のデータから不況の影響などは読み取れない。
文部科学省は、何をもとにそのような分析をしたのだろうか。
データの曲解ではないか。