ペンクラブとJLAの談合

三田誠広のHOMEPAGE「犬との別れ/その他」創作ノート305/09付けより

日本図書館協会の理事2名と、ペンクラブ広報室長松本侑子さんというメンバーで、公共貸与権についての共同声明準備会の第1回会合を開く。意見を交換し、引き続き議論を重ねて、文案をまとめることで合意。この共同声明が実現すれば、図書館と著作者の対立は解消される。

作家と図書館との密室の談合で、国民的議論のないまま公貸権が導入されるようなことにはなって欲しくない。
JLAは勝手に公貸権の導入を認めるべきではない。
財源はどこから出てくると思っているのだろうか。
はっきり言って、本が売れないのは、図書館のせいでも、新古書店のせいでも、漫画喫茶のせいでも、ケータイのせいでも、何でもない。
本が買うに値しなくなった、ただそれだけのことでしょう。
出版流通の問題だとか、出版契約の不備だとか、再販制度の問題だとか、もっともっと先に解決すべきことがあるんじゃないのか?
このままじゃ、本は自滅の道を進むだけだろう。
「誰が本を殺したのか」の犯人について、佐野眞一氏は読者を挙げているが、私はそうは思わない。
本が売れない原因をすべて他者のせいにしている出版界全体が、自分たちで本を殺しているだけだろう。それを読者に責任転嫁しているところが、佐野氏の限界だと思う。読者=消費者を育てるのも出版界がやるべきことだと思う。
図書館界が、出版界の自殺行為に荷担すべきではない。

口実としての著作権

hirokiazuma.com/blog
Winny開発者逮捕より

いまや著作権は、インターネット規制を推進するときのマジックワードになっている。ネットだけじゃない。最近話題のレコード輸入権問題もそうです。グローバル化と情報化のなかで、新しく誕生し、既存の産業構造を脅かす情報流通がつぎつぎと生まれている。他方で、その流れをコントロールする口実として、著作権が使われ始めている。しかし、自分自身も著作権でメシを食っている人間としてあえて言いますが(僕は研究機関にも所属していますが、主な収入源は印税と原稿料です)、著作権ってそんなに万能なものでしょうか?

はげしく同意します。

コピー機があっても、文献をコピーできない。
FAXがあっても、文献をFAXで送ることができない。
スキャナーがあっても、文献をスキャンすることができない。
すべて、著作権があるからです。