著作権保護期間延長について考える上で必読の記事

雑誌「中央公論」に、弁護士の福井健策氏が著作権保護期間延長について書かれた記事が掲載されています。

福井健策. 「著作権保護延長」は文化を殺すのか−クリエイターにとっての損と得.
中央公論. Vol.121, No.10, p.274-281, (2006)
http://www.chuko.co.jp/koron/

著作権保護期間延長が、クリエイターにとっても、「知財立国」を掲げる日本にとっても、利益にならない、むしろ不利益をもたらすことを、明快に指摘しています。
著作権保護期間延長について、賛成の方にとっても、反対の方にとっても、この記事は必読だと思います。
一人でも多くの方に読んでいただきたいと思います。

ただ、一つ残念だったのは、参考文献があげられていなかったこと。
文中で「朝日新聞」の報道が取り上げられているが、掲載日、記事の見出しはあげられていない。他にもそのような箇所があった。
中央公論」という媒体の性格上、仕方がないのかもしれないが、さらに調べてみたいという人にとっては、少々不親切に思う。

なお、この記事で取り上げられていた「朝日新聞」の記事は多分次のものだと思う。

asahi.com朝日新聞 be-business
保護期間延長で、埋もれる作品激増? 著作権は何を守るのか
http://www.be.asahi.com/20050716/W13/0040.html

なお、福井健策氏については、約1年前のエントリで紹介したことがあるが、昨年読んだ著作権関連の本でのベストであるこの本の著者。

著作権とは何か―文化と創造のゆくえ (集英社新書)

著作権とは何か―文化と創造のゆくえ (集英社新書)

著作権について考える上での必読書と言っていいだろう。
今年は次の本を出されている。
ライブ・エンタテインメントの著作権 (エンタテインメントと著作権―初歩から実践まで 1)

ライブ・エンタテインメントの著作権 (エンタテインメントと著作権―初歩から実践まで 1)