保護期間延長、とりあえずは先送り

文化審議会著作権分科会過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会で審議されてきた著作権保護期間の延長は、当面は見送られたことになったようだ。

asahi.com朝日新聞社):著作権保護期間、延長見送りへ 「十分な合意得られず」 - 社会
http://www.asahi.com/national/update/0918/TKY200809180168.html

著作権保護期間の延長問題は継続課題に、文化審の小委員会が中間整理
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/18/20898.html

著作権の期間延長先送り 文化審小委、合意得られず
http://www.47news.jp/CN/200809/CN2008091801000936.html

本日開催された過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会で提示された中間整理には保護期間の延長は盛り込まれず、継続審議になったようだ。
保護期間の延長を主張する側が、納得のできるだけの根拠を提示できなかったのだから、延長を盛り込むことができないのは当然だと思う。
一方で延長に反対する側は、延長することのデメリットを愚直なまでに実証的に提示し続けてきたと思う。
特に、著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム(think C)の果たした役割は非常に大きいと思う。
前にも紹介したが、著作権保護期間―延長は文化を振興するか?にその成果がまとまっている。興味のある方は是非とも読んでいただきたい。


とりあえずは継続審議になったようだが、先日のエントリでも書いたように、延長を主張する側がちゃんとした根拠を提示せず感情論を振り回すだけなら、審議を継続しても意味があるとは思えない。審議を継続するのなら、まず延長を主張する側が、ちゃんとした根拠を示してほしい。


ただ、その前にパブリックコメントが行われるとのこと。
文化庁は、パブリックコメントの結果を恣意的に利用することがあり、昨年もダウンロード違法化への反対意見は黙殺する一方で、権利制限に反対する業界の意見を受け入れるなどのことをしているので、油断はできない。
まずは、パブリックコメント提出に向けて準備をしたいが、その後の動向もちゃんとチェックしていきたい。