ダウンロード違法化

本日開催された文化審議会著作権分科会私的録音録画小委員会において、違法にアップロードされた音楽・動画のダウンロード行為を、著作権法第30条の私的複製の範囲から除外することを報告書に盛り込むことが決定したらしい。
一方で、私的録音録画補償金iPodなどへの課金は見送られることになったようだ。

私的録音録画小委員会:「ダウンロード違法化」で報告書まとまる iPod課金は「合意できず」 - ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0812/16/news052.html

文化庁が“ダウンロード違法化”の方針、“iPod課金”は見送り
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/12/16/21879.html

文化審の小委員会が最終会合,補償金制度の見直しに関する議論を終了:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081216/321494/

私的録音録画小委、補償金問題を残しつつ解散:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081216/321574/

iPodなどへの補償金課金見送り決定 「関係者間で合意得られず」 - 文化庁 | ネット | マイコミジャーナル
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/12/16/053/

私的録音録画小委員会の報告書は文化審議会著作権分科会の報告書に盛り込まれ、それに基づき著作権法改正案が策定されることになる。
その著作権法改正案は次の国会に提出されるらしい。


これで、ダウンロード違法化は既定路線となった。
文化審議会著作権分科会では小委員会の報告書がひっくり返る可能性はほとんど無いだろう。
著作権法改正案の国会への提出時期については、政治動向によって左右されるかもしれないが、お蔵入りになることはないだろう。
国会の場でつぶすことができなければ、早ければ1年以内にも著作権法が改正され、施行されてしまうだろう。


さらに注意すべきは、ダウンロード違法化の対象が音楽・動画だけでなく、プログラムにまで拡大されるかどうかだ。
ITmediaInternetWatchの記事でも言及されているが、文化審議会著作権分科会法制問題小委員会においては、中間まとめ(案)にプログラムもダウンロード違法化の対象に加えることについて「検討の熟度に応じて段階的に最終的な取扱いを判断していくことも視野に入れつつ検討を行っていくことが適当」とされている。この中間まとめ(案)については、パブリックコメントが行われたが、その結果が12月25日に開催される法制問題小委員会で報告される。

10月末に私的録音録画小委員会でダウンロード違法化がほぼ確定した時点で、委員の津田さんが私的録音録画小委員会での議論に基づいて、ダウンロード違法化になっても

  • 「違法なファイル」と知らない状態でダウンロードするのはセーフ
  • 音楽と動画以外(画像やプログラム、テキストなど)の違法ファイルをダウンロードするのはセーフ
  • ストリーミング形式で違法ファイルを視聴するのはセーフ

音楽と動画の違法ファイルを違法ファイルと分かった上でダウンロードしても「逮捕」されることはない

津田大介:「ダウンロード違法化」ほぼ決定 その背景と問題点 (3/3) - ITmedia NEWS

とまとめている。
しかし、法制問題小委員会でプログラムがダウンロード違法化の対象になってしまえば、この一角が早くも切り崩されてしまうことになる。そうであれば、他の「セーフ」となる条件も今後どうなるか分からない。
25日の法制問題小委員会でどのような結論が出されるか、注目する必要がある。