JASRACの奇妙な主張

文化審議会著作権分科会法制問題小委員会について、CNETにもう一つ記事が掲載された。

PCからiPodへのコピーをできなくすれば問題は解決する--法制小委第8回審議 - CNET Japan
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000047674,20088050,00.htm

とにかく、JASRACの主張がすごい。
ツッコミどころ満載。

JASRAC関係者は「配信事業者がJASRACに支払っているのはあくまでPCへダウンロードするまでの利用料」との主張を貫いており、同関係者からは「極端な話だが、PCを通じた音楽のコピーをできないようにすれば(iPod課金に関する問題は)解決する」といった発言もなされた。

えーっと、JASRACiTunes Music Storeがどのように利用されているのか知らなかったのでしょうか? iTMSは世界各国で最も利用されている音楽配信サービスなんですよ。アメリカやヨーロッパの各国での利用のされ方を調べてみれば、iTMSで購入した曲はiPodに転送して聞くというのが一般的な利用方法であるということは、すぐ分かると思うのですが。
しかもiTMSが日本上陸する前に、日本ではすでにiPodがハードディスク型の携帯型録音機器としてトップシェアを占めていたんですよ。それだけiPodが普及していているところにiTMSのサービスがはじまったら、利用者はiTMSで購入した曲をどうやって聞くか、想像することができなかったのでしょうか。
JASRACって、調査能力やユーザーの利用同行を予測する能力が無いのですか?

仮に、JASRACに調査能力も利用同行を予測する能力も無かったとしても、この法制問題小委員会での検討の仮定において、そのことが分かったはずですよね。
当初JASRACが考えていたこととは違ったわけですよね。
そうなら、許諾料を値上げすれば良いじゃないですか。iPodへの転送を前提とした許諾料に変えればいいじゃないですか。もしくは許諾を取り消せばいいじゃないですか。
iTMSに対して、利用者に対して「スマン、勘違いしていた。今の条件で許諾したのは間違いだった。だから取り消す。」と言えばすむことでしょう。

もちろん、私はそういう展開になることを望んでいるわけではないですが、JASRACに調査能力も利用動向を予測する能力も無かったんだから仕方ないでしょう。
間違って許諾してしまったんだから、それをただしてください。
許諾する側にその権限があるのだから。

自分たちが持っている権限を行使すれば解決できるのだから、ただそうすれば良いだけのことなのに、なんで「PCを通じた音楽のコピーをできないようにすれば(iPod課金に関する問題は)解決する」という極論にまで言ってしまうのですか?

本当に不思議な主張をする団体だ。