文化庁の概算要求とデジタルアーカイブ
平成22年度の文化庁の概算要求の資料が文化庁のサイトに掲載されている。
文化庁 | 文化行政のあらまし | 文化関係予算
http://www.bunka.go.jp/bunka_gyousei/yosan/index.html
平成22年度文化庁概算要求の概要(PDF形式(144KB))
http://www.bunka.go.jp/bunka_gyousei/yosan/pdf/22_gaisan_gaiyou.pdf
平成22年度概算要求主要事項説明資料(PDF形式(276KB))
http://www.bunka.go.jp/bunka_gyousei/yosan/pdf/22_gaisanyoukyu.pdf
文化庁といえば、平成21年度補正予算でいわゆる「アニメの殿堂」の整備費として117億円を盛り込んだことで脚光を浴びたが、政権交代によって、その「アニメの殿堂」は凍結された。
まあ、箱物優先で基本的な理念に欠けているように思えるものだったので、凍結は妥当な結果だと私は思う。
なお、いわゆる「アニメの殿堂」が本当に無駄なものなのか、意義のあるものなのかを考える上で、次の本は必読だと思うので、是非読んでいただきたい。
マンガとミュージアムが出会うとき (ビジュアル文化シリーズ)
- 作者: 表智之,村田麻里子,金澤韻
- 出版社/メーカー: 臨川書店
- 発売日: 2009/07/01
- メディア: 単行本
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私は本書を読んで、「アニメの殿堂」はやっぱり箱物優先で理念が無いと再確認することができた。
さて、平成22年の説明資料にざっと目を通して見たがメディア芸術関連で2つ興味深いものがあった。
まず一つ目。
メディア芸術情報拠点・コンソーシアム構築事業 217百万円( 新規)
メディア芸術に関する情報収集・発信や国内外の関連する施設、大学等の高等教育機関、関係業界・企業、関係省庁等との連携・協力により、効果的・効率的に拠点機能を果たす「メディア芸術情報拠点・コンソーシアム」を構築し、連携共同事業を推進する。
いわゆる「アニメの殿堂」がポシャったことを受けて、既存の各種施設を活用しようとするものではないかと思う。箱物優先を脱却してどのようなことをやろうとしているのかには注目していきたい。
そしてさらに注目すべきはこれ。
メディア芸術デジタルアーカイブ 232百万円( 新規)
我が国の優れたメディア芸術作品を保存する対策のひとつとして、デジタルアーカイブ化を行い、広く国民に対し優れた作品に触れる機会を拡大するとともに、これらをコンテンツとして多方面に活用していく基盤とする。
これだけの説明では、正直どのようなデジタルアーカイブになるか分からない。
どのようなメディア芸術作品を対象とするのか、どこまでアクセスできるのか、著作権処理はどうするのか、等々。
そして2億3200万円でどこまで実現しようとしているのか。
これだけでは何も判断できない。
予算獲得できるかどうかも分からない段階ではあるが、まず文化庁としてどのようなデジタルアーカイブを構築しようとしているのかを早く提示してもらいたいと思う。
なお、文化庁が構築しているデジタルアーカイブに、文化遺産オンラインがある。
この文化遺産オンラインの著作権についての説明は、妥当なものでは無いと私は思う。
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