文化庁が行った「著作物の利用についてのアンケート調査」の結果はどうなった

小倉秀夫弁護士のブログのこの記事を読んだ。

benli: Copyright and You
http://benli.cocolog-nifty.com/benli/2009/10/copyright-and-y.html

最後のところに

日本政府も、折角政権交代したのですから、著作権に関して何が重要なのかということの意見募集を、一般の日本国民対象にしてくれないかなあと思います。

benli: Copyright and You

これを読んで、ちょうど1年ぐらい前に、文化庁は「著作物の利用についてのアンケート調査」を行ったことを思い出した。

文化庁 | 過去の記事(その他のお知らせ) | 2008年 | 文化庁「著作物の利用についてのアンケート調査」の実施について
http://www.bunka.go.jp/oshirase_other/2008/chosaku_ankeito.html

このアンケート調査については、このブログでも何度か取り上げた。
正直、このアンケート調査のベースになった調査は恣意的な解析を行っていると思っているで、文化庁の調査も恣意的なものになるのではないかの懸念を抱いている。

文化庁著作権に関する国民意識調査を実施 - Copy & Copyright Diary
http://d.hatena.ne.jp/copyright/20081011/p1

文化庁が「著作物の利用についてのアンケート調査」を実施 - Copy & Copyright Diary
http://d.hatena.ne.jp/copyright/20081107/p1

文化庁のアンケート調査に対する懸念 - Copy & Copyright Diary
http://d.hatena.ne.jp/copyright/20081107/p2

文化庁のアンケートの概要 - Copy & Copyright Diary
http://d.hatena.ne.jp/copyright/20081113/p1

このアンケート調査が行われてから、1年近くが過ぎているが、未だにその結果は公表された気配はない。
文化庁のサイトにも掲載されていないし、その調査を文化庁から委託されて実施した中央調査社のサイトにも掲載されていない。
アンケート調査を行う際の文化庁のリリースには

○調査の公表
 調査結果につきましては,調査結果報告書がまとまり次第(3月末を目途としております。)にホームページで公開する予定です。


(強調:引用者)

http://www.bunka.go.jp/oshirase_other/2008/chosaku_ankeito.html

とある*1が、公開の目途であった3月末から半年以上が過ぎている。
この調査は一体どうなってしまったのだろうか?


当初の目途よりも半年以上経過してもまだ結果がまとまっていないのだとしたら、委託先の中央調査社、またはは協力者である東京大学の太田勝造教授、もしくは文化庁の怠慢だと思うし、結果がまとまっていながら公開していないのだとしたらそれは文化庁の怠慢だろう。
いずれにしろ、税金を使って行った調査なのだから、当初の公開予定の目途から半年以上も経過しているのだから、結果がまとまっているにしろまとまっていないにしろ、文化庁はアンケート調査がどうなっているのか説明する責任があるはずだ。
私は文化庁が恣意的な結果を出しているのではないかと懸念しているが、それでも、その結果が開示されなければ検証のしようがない。
一刻も早く、結果を開示して欲しい。

*1:中央調査社のリリースにも同様の記述が記載されている。 http://www.crs.or.jp/about_9099.htm