ポット出版の「Googleの書籍デジタル化への集団訴訟和解案について」に感動した。

ポット出版が出した「Googleの書籍デジタル化への集団訴訟和解案について」を読んだ。

ポット出版Googleの書籍デジタル化への集団訴訟和解案について | ポット出版
http://www.pot.co.jp/news/%E3%83%9D%E3%83%83%E3%83%88%E5%87%BA%E7%89%88%E2%97%8Fgoogle%E3%81%AE%E6%9B%B8%E7%B1%8D%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E5%8C%96%E3%81%B8%E3%81%AE%E9%9B%86%E5%9B%A3%E8%A8%B4%E8%A8%9F%E5%92%8C.html

ポット出版には私も縁があって、一度「ず・ぼん」に書かせてもらったことがある。

ず・ぼん11 | ポット出版
http://www.pot.co.jp/books/isbn978-4-939015-82-3.html

そんなわけで、このポット出版の見解は私にも関係があるのだが、この見解はすばらしいものだと思う。
ポット出版の見解のポイントは次の箇所だろう。

ポット出版は、ポット出版が発行した書籍の全文を対象にした検索が実現することを歓迎します。

・すべての人が、書籍の書誌情報(タイトル・著者名など)だけでなく、その全文にたいして一定の言葉の存在を検索できることは、その人にとって有用な書籍を「発見」する手だてを格段に増やし、そのことで、社会全体でさまざまな知の共有が前進すると思うからです。
・「発見」する手だてが増えることは、ポット出版の発行物の発見も増やすことにつながり、販売の増加が見込めると判断するからです。
・発見→販売増大は、現時点で可能性があるという範囲だと思いますが、少なくともそうした実験はされるべきだと思います。
・もし実験がおおきな失敗をしたとしたら、その実験から離脱しようと考えています。
・これらは、すべての発行物で一律に判断する意思はありません。例えば辞書のように、発見→販売増大に結びつかない可能性があるものも考えられます。
したがって、基本は提供ですが、それぞれの書籍によって例外的に、提供しないという判断もあり得ます。

ポット出版●Googleの書籍デジタル化への集団訴訟和解案について | ポット出版

この考えに沿って、ポット出版はこれまでも様々なことを行っている。*1

自分も書かせてもらった「ず・ぼん」は著者の了解を得た上でバックナンバーの全文公開を行っている。*2

ず・ぼん全文記事 | ポット出版
http://www.pot.co.jp/zu-bon/

伏見憲明氏の「同性愛入門[ゲイ編]」も全文をPDFで公開している。

急告・『同性愛入門[ゲイ編]』をクリスマスにネット公開 | ポット出版
http://www.pot.co.jp/fushimi/%e8%87%aa%e8%91%97%e7%b4%b9%e4%bb%8b/1700-3.html

「同性愛入門[ゲイ編]」PDF版(全文) | ポット出版
http://www.pot.co.jp/fushimi/%e5%90%8c%e6%80%a7%e6%84%9b%e5%85%a5%e9%96%80/oaeaaethiciyyeoipdfeceaee.html

さらに、書籍の詳細ページからGoogle Book Serachへのリンクも行っている。

立ち読み&全文公開 | ポット出版
http://www.pot.co.jp/tachiyomiandzenbunkoukai/

これだけの取り組みをしてきたポット出版だからこそ、今回の見解にはとても説得力がある。
このような出版社があることをうれしく思うし、こういう出版社は応援していきたいと思う。

追記(5月12日)

ポット出版Googleへの見解がITmediaで取り上げられています。

「知の共有が前進する」――Googleブック検索和解案を歓迎する出版社 - ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0905/12/news039.html

ポット出版●弊社のGoogleブック検索への見解が記事になりました | ポット出版
http://www.pot.co.jp/news/20090512google.html