フェアユースを巡る激しい攻防

知財戦略本部のデジタル・ネット時代における知財制度専門調査会が行ったパブリックコメントの結果が公表されている。

知的財産戦略本部デジタル・ネット時代における知財制度専門調査会 議事次第
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/digital/dai10/10gijisidai.html

フェアユースに関する意見についてだけざっと目を通してみたが、賛成・反対の双方の意見が対立していている様子がよく分かる。
ちゃんと数えていないが、反対の意見の方が多かったように思う。
しかし、報告書はフェアユースの導入を盛り込んだままで、大きな修正はなされていないようだ。

デジタル・ネット時代における知財制度の在り方について(報告)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/houkoku/081127digital.pdf

この後、文化審議会著作権分科会に舞台を移す訳だが、ここから先はとても難航することが予想される。
というのも、今回のパブコメフェアユースの導入に反対の意見を出した団体に関わる人が、著作権分科会の委員に多く入っているからだ。
著作権保護期間の延長の可否を議論した過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会では、保護期間延長に賛成する委員と反対する委員の意見対立が収束せず、結局保護期間の延長の結論は出せなかった。
フェアユースについても、同じような状況になることが予想される。

フェアユースの導入を後押しするにはどうすれば良いのか、考えていきたい。