日本図書館協会のthink Cの共同提言に対する意見

日本図書館協会のサイトに、著作権に関する意見が4件掲載された。

著作権に関する意見(4件)を掲載しました(2008.11.18)

http://wwwsoc.nii.ac.jp/jla/index.html

掲載されたのは次の4件。

過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会中間整理に関する意見(PDF)
2008年11月10日

法制問題小委員会平成20年度・中間まとめに関する意見(PDF)
2008年11月10日

「保護期間延長問題と創作・流通支援策に関するthink C-PT 提言案」に対する意見(PDF)
2008年9月22日

「知的財産推進計画2007」の見直しに関する意見(PDF)
2008年4月3日

http://wwwsoc.nii.ac.jp/jla/kenkai/index.html

文化審議会の2つの小委員会への意見も是非目を通していただきたいが、今回はthink Cの共同提言案に対する意見を見てみる。

これまでも述べているが、私はthink Cの共同提言に盛り込まれている「公的補償システム」に反対であるが、日本図書館協会が「公的補償システム」に対してどのような見解を出しているのかに興味があった。それは、think Cの提言している「公的補償システム」が、一部の作家が要望してる公共貸与権(公貸権)に繋がりかねないと、私が懸念しているからだ。
日本図書館協会の意見では、やはり「公的補償システム」に言及している。
以下がその部分

2 「PSC(公的補償システム)」
慎重な議論をお願いします。
個々の権利制限によって生じる経済的損失に対する補填システムが,ガイドラインも含め権利者との調整促進となると考えますが,公益性に鑑みて規定されるフェアユース規定や権利制限規定の考え方と矛盾することとなります。また,生じる経済的損失の算出方法や補償金の徴収・分配コストと補償金の額の見合いが負担者の理解を得られるか,負担者が最終利用者なのか,公的セクターなのかなど検討すべきことが多くあります。

http://wwwsoc.nii.ac.jp/jla/kenkai/20080922.pdf

日本図書館協会は「公的補償システム」に反対というスタンスを打ち出してはいないが、慎重であることに、少し安心した。
なお、日本図書館協会は日本版「フェアユース」の導入に賛成である。
私も、「公的補償システム」の無い、日本版「フェアユース」の導入には賛成である。