行き先のない映画

興味深い記事があった。

asahi.com朝日新聞社):記録映画フィルム、保存に力 研究者らセンター設立 - 映画 - 映画・音楽・芸能
http://www.asahi.com/showbiz/movie/TKY200810250086.html

現像所の倉庫に、制作会社やスポンサーが倒産するなどで、行き先の無い映画フィルムが大量に残されていて、それが劣化などにより廃棄されそうになっているとのこと。

これらのフィルムは、映画制作会社やスポンサー企業の倒産、担当者の変更などによって、引き取り手がいなくなるケースが多い。 1990年代以降のデジタル化などで従来の複製作業の必要がなくなり、意味のないまま年間数千万円もの倉庫代を支払っている現像所もある。運良くスポンサーと連絡が取れ、フィルムを返却しても、作品が確実に保存される保証もないという。

吉見学環長は「このままでは日本の貴重な文化遺産が失われることになりかねない。現行の著作権法などの法律ではオーファンフィルムの救済は極めてむつかしい。法的な面からの整備も急がれている」と話す。

劣化したフィルムから新しい媒体に変換することも複製になると思う。
なので、著作権者でない限り、劣化したフィルムから新しい媒体に変換することもできない、ということだと思う。
映画の著作権は2004年より保護期間が70年に延長されたが、それによって失われる映画も多いということが、この記事から分かる。
著作権保護期間の延長が行われても、多くの著作物が失われているという現実を改めて思い知らされた。


この問題については、下記サイトに詳しく記されているので、是非読んでいただきたい。

記録映画保存センター準備会
http://kirokueiga-hozon.jp/index.html