学術雑誌の電子アーカイブ

電子アーカイブで過去の学術雑誌を初公開(明治期からの日本の研究の探索が可能に)
http://www.jst.go.jp/pr/info/info271/index.html

JST湯川秀樹ノーベル賞受賞論文などを電子アーカイブ化して無料公開
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/03/24/11373.html

こういった事業は、大歓迎。どんどん進めていただきたい。
学術論文は、読まれなければ意味はない。
誰もが読むことができる状況に置いておくことが重要。
以前は、図書館(主に大学図書館)が、学術情報流通において大きな役割を果たしてきたが、今ではインターネットが果たす役割が大きくなってきている。
その中で、ネット上で過去のアーカイブを公開することは、非常に意義があると思う。

ただし、気になるのは著作権の処理。
Internet Watchの記事には

これらの文献の著作権は、発行元の各学会がJSTに譲渡している。

とあるが、本当に発行元の各学会が著作権を有しているのかどうかが、疑問だ。
昨年、下記のエントリでも指摘したが、このアーカイブ事業に意義があるからこそ、著作権の問題はきちんとして欲しい。

Copy & Copyright Diary - 日本化学会発行論文誌掲載論文の著作権
http://d.hatena.ne.jp/copyright/20051226/p1

Copy & Copyright Diary - J-STAGE電子アーカイブ事業
http://d.hatena.ne.jp/copyright/20051227/p1

むしろ、各学会にまかせるよりは、裁定制度を利用するとかしたほうが良いのではないでしょうか?
いずれにしても、今回の電子アーカイブ事業は意義のある物だと思いますし、どんどん推進してもらいたいですし、著作権がその事業の障害になるとしたら、それは本末転倒だと思います。