図書館力と日本文化の貧困さ

図書館力をつけよう―憩いの場を拡げ、学びを深めるために

図書館力をつけよう―憩いの場を拡げ、学びを深めるために

紀伊國屋の書評空間に本書の書評が掲載されていた。

大阪市立大学大学院・早瀬晋三の書評ブログ: 『図書館力をつけよう』近江哲史(日外アソシエーツ)
http://booklog.kinokuniya.co.jp/hayase/archives/2006/02/post_37.html

評者の早瀬晋三氏は

本書でとりあげられたいろいろな問題も、多くは図書館学の専門家がいると解決できるものであって、利用者の「実践的図書館使いこなし術」は必要ない。本書が存在すること自体が、日本の文化的貧困さを証明しているとも言える。

と述べているが、私は早瀬氏の書評自体に「日本の文化的貧困さ」を感じた。
というのも、早瀬氏の書評が

図書館が便利で使いやすくなると、著作権をもっている者にとって、敵になるのか味方になるのか。

ではじまり、最後のほうで

最初に戻って、図書館力は著作権をもつ者にとっての敵か味方かであるが、味方になると考えたい。

と書いている。
私にしてみれば、

図書館が便利で使いやすくなると、著作権をもっている者にとって、敵になるのか味方になるのか。

という発想自体が、日本の文化的貧困さをあらわしているように思う。
早瀬氏の書評自体が、まさに「日本の文化的貧困さ」を示しているのではないでしょうか。