お勧めの入門書

著作権とは何か―文化と創造のゆくえ (集英社新書)

著作権とは何か―文化と創造のゆくえ (集英社新書)

集英社新書著作権の本が出た。
新書と言うことなので、どうせたいしたこと無いだろうと思って読みはじめたのですが、侮っていました。
これはとても良い本です。

「はじめに」で著作権についての著者のスタンスを提示したあとで、著作権について考えるための題材を提示して、読んでいる人に「あなたはどう考えますか?」と問いかけています。

取り上げられる題材も、実際に裁判で争われた「記念樹」や「パロディ・モンタージュ写真」、「脱・ゴーマニズム宣言」、裁判にはならなかったけど一部で話題になった「ライオン・キング」などなど、親しみやすい題材が多いので、読む人の著作権についての問題意識を喚起すると思います。

著作権の条文についての解説は少ないですが、著作権について問題意識を持っている人、著作権について色々と考えていきたいと思っている人には是非とも読んでもらいたいです。
著作権の条文について勉強したい人も、本書を読んでから他の解説書を読むと、条文についての理解が深まるのではないでしょうか。

本書のように、問題意識を喚起する本が、新書という多くの人に読まれやすい形で出版されたことは、とても意義があると思います。

是非とも本書を読んでください。
そして皆で著作権について考えていきましょう。