入門書だからこそ

入門 著作権の教室 (平凡社新書)

入門 著作権の教室 (平凡社新書)

著作権法の入門書としては、標準的なもの。
新書版と言うことで、手に取りやすく、著作権について勉強したいという人に薦めたいのだが、この本には大きな欠陥がある。
それは、平成16年度著作権法改正に対応していないことだ。
67ページに

実はこの貸与権、当分の間は書籍または雑誌のレンタル店(貸本業、附則四条の二)には適用されないことになっているからです。

と書かれているが、平成16年度の法改正でこの附則は廃止され、平成17年1月1日からは書籍・雑誌にも貸与権が適用されることになっている。
施行まで1ヵ月を切った時点で出版された著作権法の入門書としては、当然この法改正を押さえる必要があると思う。
これを押さえていない為、出版から1ヵ月もたたないうちに本書は古びてしまうのだ。
このため、本書は入門書としては薦めることができない。
入門書であるからこそ、きちんとして欲しいと思う。
とても残念だ。