著作権を語る上で大事なこと

11月1日のエントリ(id:copyright:20041101#p1)で著作権を考える上でのキーポイントを2つ挙げました。

著作権を語る上では、自分は権利者であると同時に利用者でもあるということを自覚する必要があります。
著作権を語る上では、自分も当事者であることを自覚する必要があります。

このキーポイントの延長上にあることですが、もう一つキーポイントがあります。
それは、自分が他者の著作権を侵害している・侵害したことがある可能性を念頭に置くべきだ、ということです。
著作権というのは親告罪で、通常は権利者が訴えてこないかぎり侵害行為は表面化しません。
同時に、現在の著作権制度は非常に複雑になっているため、知らず知らずのうちに他者の著作権を侵害している可能性は大きいと思います。
例えば、私がこのBLOGで他者の著作物を「引用」する際に32条の要件をすべて満たしているかと問われた場合に、すべて満たしていると自信を持って答えられません。32条の要件を満たすように留意していますが、最終的には裁判所の判断がどうなされるかによります。
他にも30条の範囲内での複製と思っていても、それが本当に30条の範囲内なのか、自信を持ってこたえられません。
誰もが他者の著作権を侵害している可能性があると思います。
それは、権利者と呼ばれる人達も同様です。
例えば「無断引用」と報道されることの多い「盗用」ですが、プロの作家が起こすケースが多く見られます。
著作権を考える上では、自分が他者の著作権を侵害しているかもしれない、と言うことを念頭に置く必要があると、私は考えます。