著作権等管理事業法

三田誠広氏のホームページ2004年8月スペインの孫が更新されました。8月2日付記述で文化審議会著作権分科会のことに触れています。

文化庁著作権分科会。今シーズンの第一回。書籍の貸与権確立という大きな問題を前シーズンにクリアーした後なので今回はとくに大きな問題はない。管理事業法の3年目の見直しという問題があるが、もともとこの法律にはわけのわからないところがあるので、ここをこう直せばいいという提案ができないところに困難がある。とにかく、これでは困るという、頭の悪い人がやりそうな、単なる苦情、愚痴の類を言うしかないようだ。

今回の著作権分科会で管理事業法の見直しについて取り上げられていたことは、見落としていました。
造反有理文化審議会著作権分科会(第13回)の概要を読み直してみたら、吉川課長の発言のなかにありました。

契約流通小委員会は、管理事業法の見直しがあがっている。著作権等管理事業法附則7条に施行後3年を経過後状況を検討して必要な措置を執るとの規定があり、3年を経過したので、見直しが必要かどうか点検して頂きたいということで掲載している。

著作権等管理事業法については、私はまだまだ勉強不足であるが、文献複写の分野においては、利用許諾の複雑化を招き、利用者にとっては非常に複写許諾を得ることを難しくしていると思う。
そういう状況を考えると、私は少なくとも次の3点について、見直しを行って欲しいと考えます。

1.管理著作物リストの提供努力義務を提供義務に変えること
不思議なことに、現在管理事業者は管理著作物リストを利用者に提供する努力を行う義務はあるが、提供する義務はない。自分のところでどのような著作物を管理しているのか把握しないで、管理事業を行うことができるというのは、どう考えてもおかしい。これは提供義務に改めるべきでしょう。

2.管理著作物統一検索システムを構築すること
これは法律の見直しというよりも、所轄官庁である文化庁に対する要望。管理事業者が複数並立する状況下では、利用者が利用許諾を取ろうとする場合、すべての管理事業者の管理著作物リストを調べなければならない。しかもその管理著作物リストを提供する義務は管理事業者には無い。これでは利用者にとってはあまりにも負担が大きすぎる。文化庁が主導となって、全管理事業者の管理著作物リストを集約し、統一データベースを構築すべきである。そうでなければ、利用許諾を円滑に取ることは難しい。
3.利用者代表との協議の条件をゆるくすること
管理事業者は利用者代表から協議を求められた場合それに応じる義務があるが、利用者代表となるための規定が厳し過ぎる。業界団体のレベルでないと、利用者たりえない。個人などの一般利用者が管理事業者の使用料規定に対して異議を述べたくても、現在の利用者代表の条件を満たすことは非常に難しい。著作物の利用促進を図るためには、利用者代表となる条件を緩和し、個々の利用者が管理事業者と協議を行えるような条項にすべきである。

細部をつついていけば、他にも出てくるかもしれないが、とりあえず、この3点は何らかの形で要求に出したいと思います。