図書館雑誌より

先日図書館に行った時に「図書館雑誌」の7月号を見てきた。
注目は次の文献。

松下茂. 課題の多い複写権処理の現状−利用者の立場に立った著作権処理機関を−
(特集:専門図書館・最近のトピックス).
図書館雑誌. Vol.98, No.7, p.442-445, (2004)

文献複写の権利処理機関がいかに利用しづらいかがよくわかる文献。
この文献を読むと、貸与権の権利処理機関もうまくいかないのではないかと不安になる。
権利処理機関が機能しなかった場合、困るのは権利者より、むしろ利用者なのだ。

もう一つ注目したいのは次の解説記事。

JLA著作権委員会. 平成16年著作権法改正と図書館における貸出しとの関係は?
(そこが知りたい!著作権 その4).
図書館雑誌. Vol.98, No.7, p.464, (2004)

川内博史議員・近藤昭一議員が提出した「今国会提出の著作権法の一部を改正する法律案に於ける暫定措置廃止後の法律の運用に関する質問主意書」に対する答弁書をもとに、図書館への影響はほとんど無いだろうとうもの。
JLAとしては、この答弁書を最大の武器として、図書館の立場を主張していくしかないのだろう。この答弁書図書館界が勝ち取ったものではなく、棚ぼた式に転がり込んできたものだとしても。