井上ひさし氏の英断

秦恒平氏のサイト闇に言い置く 私語の刻の5月17日付けの記述に、ペンクラブの理事会の様子が書かれていた。
またしても、公貸権について議題に上がったそうだ。
5月10日付けのエントリ(id:copyright:20040510#p1)で触れた、ペンクラブとJLAとの会合の報告が松本侑子氏から行われたそうで、松本氏は「協会とペンとで推進の共同声明を出し、図書館側を大いに刺激すべし」と報告したらしい。
その報告に対し、ペンクラブ会長の井上ひさし氏が次のように語ったらしい。

「公貸権」問題については慎重であらねばと思う、海外にそれがあるから日本にもというような発想で事を急いだり強行したり図書館へ圧力をかけることには、賛成でない

私は井上氏をというかペンクラブを見損なっていたかもしれない。
三田氏のような意見ばかりを見てきたので、作家はみんなそのような考えの人ばかりだろうと思っていたが、本当はそうでは無いのかもしれない。そして、ペンクラブの会長がこのような意見なら、一部の作家の暴走も心配しなくていいかもしれない。
来年の著作権法改正案の中に「公貸権」が盛り込まれてしまうのではと心配していたが、ペンクラブの会長が慎重であるなら、そこまで一気には進まないと見て良いと思う。
むしろ注意すべきは、公貸権導入積極派のJLA理事の動向だ。
図書館で本を借りて読むことを、作家に対する「読書ハラスメント」だと言って、図書館利用者を貶めている糸賀氏は、ペンクラブが慎重であっても、公貸権導入を推進するのだろうか。