貸出猶予よりも再販制度の廃止

「続・情報基盤としての図書館」の中で、楡周平氏の主張が紹介されていた。私は不勉強にも楡氏の「図書館栄えて物書き滅ぶ」を読んでいなかったが、根本氏による楡氏の主張の紹介を読んで、疑問に思った。

楡周平氏が出版後の一定期間の貸出停止を主張するとともに、その期間以降は割引価格で図書館に販売するなどむしろ貸出を奨励しようとしているのは、そのことに着目しているわけだ。

(「続・情報基盤としての図書館」21ページ〜22ページ)

一定期間以降、割引価格で図書館に販売すべき、というのなら、一般の読者にもその割引価格で売るべきだろう。
つまり、再販制度を廃止するのである。
例えば、半年間は定価販売でそれ以上たった本は、書店が自由に値付けできるようにすれば、図書館への貸出禁止期間の設定よりも、効果が上がるように思えるのだが。
割引価格で買えるなら、図書館で借りるよりも買ってしまおう、という人も多いと思うし、新古書店で買うような人たちも、割引価格でなら新刊書店で買うかもしれない。
貸出禁止期間の設定よりも、再販制度の廃止の方が、本の売り上げには効果があると思うのだが、どうだろう。