図書館総合展

日本医学図書館協会・日本薬学図書館協議会主催のフォーラム「新しい科学コミュニケーションを求めて−学術雑誌再考」を聞いてきました。
期待してたとおり、なかなかいいフォーラムでした。
最初の児玉氏の発表は、学術情報流通の現状の問題点が分かり易くまとまっていました。
次の真銅氏の発表は、企業内専門図書館が電子ジャーナルを導入する際にクリアしなければならない様々な課題を、実際に導入している企業へのインタビューに基づき、指摘していました。
最後の福生氏の発表は、図書館ではなく、研究者の立場からのものでした。司会の殿崎氏が周囲の研究者に対して学術情報流通の問題点を訴えた結果、福生氏がその現状を理解し、問題意識を共有できた、という成果のひとつとして捉えるべきであろう。
学術情報流通の問題は、図書館だけでは解決できるものではなく、研究者の意識改革、さらには研究評価も含めた大きな制度改革を行わないと解決するのは難しいでしょう。その意味からするとこのフォーラムの目玉は福生氏の発表だったと言えるかもしれません。
司会の殿崎氏のエルゼビアなど大手出版社に支配されている学術コミュニケーションの現状に対する問題意識が感じられる、いいフォーラムだった。
なお、今回のフォーラムの参考資料として、次の会議録も併せて読んでおきたい。

知のオアシス―ディジタル情報の未来 (日本医学図書館協会総会館長司書会議録 (第73回))

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