メモの著作権2題

最近メモの著作権がらみでよく分からないニュースが2件あった。

カラオケの発明メモ

この件については、文化庁のサイトにも注意喚起の掲載がされているが、朝日新聞の記事と時事通信の記事がわかりやすいと思う。

asahi.com朝日新聞社):カラオケ発明者、著作権トラブル メモ権利分割・販売 - 社会
http://www.asahi.com/national/update/1013/TKY201010130399.html

時事ドットコム:「カラオケ特許」でトラブル多発=1300万円支払いも−消費者庁など注意呼び掛け
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010102500020

一時期、著作権登録を行うことで、特許を取得するより手軽に安価で発明を保護することができる、という様なことを掲げて、著作権登録代行を行うビジネスが行われていることがあったが、もちろん、著作権登録は特許の登録とは全く別物であって、発明を保護するものでは無い。
著作権の登録制度については、文化庁のサイトの解説にもあるように、

著作権関係の法律事実を公示するとか,あるいは著作権が移転した場合の取引の安全を確保するなどのため

http://www.bunka.go.jp/chosakuken/touroku_seido/warning.html

のものであって、発明やアイデアの登録とは違います。
文化庁のこの解説がわかりやすいと思います。

特許権実用新案権は時間と費用がかかるため,比較的簡単で安価な著作権登録をしたいとの相談が多く寄せられます。著作権で保護されるのは表現されたもの,特許権実用新案権で保護するのは発明やアイディアそのものという違いがあります。発明やアイディアの内容・解説を文書や図面などに表現したものであれば,それらは言語の著作物や図形の著作物となり,著作権法上の保護を受けます。 
 しかし,それは発明やアイディアそのものを保護するものではありませんので,発明やアイディアそのものの保護を望まれるならば,特許や実用新案の出願など,適切な方法を選択してください。

http://www.bunka.go.jp/chosakuken/touroku_seido/faq.html

今回の件については、詐欺と言えるかどうかは分かりませんが、錯覚ビジネスに近いものなのではないかと思います。
著作権は表現を保護するものであって、アイデア著作権では保護されない。
その基本を改めて思い知らされたニュースでした。


文化庁国民生活センターによる注意喚起の案内。

文化庁 | 著作権 | 著作権に関する登録制度 | 緊急のお知らせ
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/touroku_seido/warning.html

「カラオケ著作権」の譲渡に関するトラブルにご注意!(発表情報)_国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20101021_3.html

チリ落盤事故の生存メモ

こっちのニュースはあまり報道されていないし、海外のニュースでもあるので、正直よく分からない。
>>http://d.hatena.ne.jp/copyright/edit#
時事ドットコム:生存伝えたメモに著作権=「避難所で33人無事」−チリ救出劇
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&rel=j7&k=2010102300069