川端文部科学大臣が電子書籍と著作権について言及

見落としていたけど、4月6日の川端文部科学大臣記者会見で、記者からの質問への回答で電子書籍著作権について言及していた。

記者)
先日、「iPad」という電子書籍の端末がアメリカで発売されて話題になっておりましたけれども、中川副大臣が御担当で、日本においても、今、電子書籍の議論を、どうやったら日本に流通するかという仕組みの検討が始まっておりますが、その第1回の会合においてはですね、出版社や、いわゆる作家や権利者の側から、非常に、もっと権利をきちんと守ってほしいというような、どちらかというと慎重な声が強く出たということは御存じだと思うんですが、文化庁を抱える文科省として、正にその著作権をどうやって守っていくかということを、あまり過剰に守りすぎると流通に支障が出てきますので、その辺りについて大臣の御所見を伺いたいと思います。


大臣)
一つは、いわゆるIT、ICTの技術の進歩と、それからいわゆるハードの普及の速度はですね、もう想像をはるかに超えて速い。そして、そこの中へのコンテンツの対応ということで言うと、今までの、ある種の権利と利益と利害とを大きく変えるという事態になることは間違いないわけです。そういう権利の調整等々を慎重にやると遅れてしまう、実態はもっと早く進んでしまう。たまたま日本は日本語という文化であるので、少し猶予されているポジションに今いるけれども、当然ながら、そんなに時間的猶予はないんだと思います。そういう意味で、まず始めたのは、もう時代はどんどん進んで変わっていくということを踏まえながら、今、先ほどの出版社や著作者等々がどう考えておられるのか、今までどおりでいたいという希望はあってもそれはかなわないという、こういう事態に対応してどういうことが必要なのか、そういう著作権の問題とかいろいろ、まずは当事者の皆さんが、これは当事者間でもまた当然ながら利害があるんですね。そういう意味で、それぞれ時代が変わり環境が変わるのを踏まえたときに、懸念されておられること、あるいは、これだけは守ってほしいと思われること、新しい仕組みで対応してほしいことを、一回全部出してくださいという段階に今あるんです。最終的には、皆が丸く収まってうまくいく答えは、住み慣れた今の住み家というのは許されないという意味ではなかなか難しい問題です。時間もないという部分でしっかりと現場の御意見を踏まえる中での選択は我々がやっぱりやらざるを得ないときが、そう遠くないときにくるんだろうと思っていますが、今はまだ少し時間の余裕が、日本文化には多少許されているのかなと思っています。


記者)
版面権ということで出版社が訴えていますけれども、これを、著作権法を改正して実現するというのは、かなりハードルがいろいろあると思うんですけれども。


大臣)
そういうお声もあれば、作家の皆さん、著作権者でも両方あるんです、その中でもね。そういうところに乗せてどんどん触れた方が、最近あんまり本が売れない中で出版するというのに、ハードルの高い部分が下がった方が皆に触れる機会が増えるからいいと思われる人もいるし、いやいやという方もおられるという部分で、やっぱり非常に大局的な部分で見ないといけないことになるんだと思います。その中の一つのアイデアとして、今、出ているようなお話があることは事実です。

川端達夫文部科学大臣記者会見録(平成22年4月6日):文部科学省

特に方向性を示している訳ではないので、コメントすべき点はほとんど無い。