図書館サポートフォーラム賞

昨日、図書館サポートフォーラム賞の表彰式に出席した。

図書館サポートフォーラム賞
http://www.nichigai.co.jp/lib_support/lsf_award.html

図書館サポートフォーラム
http://www.nichigai.co.jp/lib_support/index.html

図書館サポートフォーラムは、図書館出身者からなる団体で、図書館活動の発展をサポートするという趣旨で活動を行っている団体だ。日外アソシエーツ(株)が事務局を担当しているようだ。
そして図書館サポートフォーラム賞は、各種図書館活動を表彰する賞とのこと。


その図書館サポートフォーラム賞の表彰式に私が出席したのは、神奈川県立川崎図書館が図書館サポートフォーラム賞を受賞したからだ。
神奈川県立川崎図書館は、私が理事を務めている神奈川県資料室研究会と密接な関係にあるので、出席することにした。


図書館サポートフォーラム賞は原則として個人の活動を表彰する賞であるらしいが、受賞理由のところで、今回は非常に優れた功績があり、表彰委員から強い推薦があったので団体である神奈川県立川崎図書館を表彰することになったとの説明があり、とても嬉しく思った。


今回の図書館サポートフォーラム賞は、神奈川県立川崎図書館の他に2名の方が受賞された。
表彰式に出席するまでは、特に興味も無かったのだが、表彰式で2名の方の表彰理由を聞いて、地味だけれどもとても意義のある活動をされている2方だった。

お一人は、キハラ株式会社会長の木原祐輔氏。
木原氏は「歴史的図書館用品の調査・収集・保存」事業を評価されての受賞。
今の図書館では目録は電子化されているのが当たり前であるが、その昔、私が学生の頃はまだカード目録が中心だった。カード目録時代には、今では使われなくなった様々な図書館用品が使われていた。そういった、今は使われなくなったが、かつては図書館でごく普通に使われていた図書館用品の調査・収集・保存事業を木原氏は行っているとのこと。
受賞の挨拶ではそういった図書館用品を収集する上での苦労や、収集した図書館用品がどのように使われていたかを調査する上での苦労を語られていたが、とても興味深い話だった。
木原氏の「歴史的図書館用品の調査・収集・保存」事業の一部は、下記PDFで見ることができるので、是非読んでいただきたい。

LISN No.125[増刊号](PDF)
http://www.kihara-lib.co.jp/image/lisn/125lisn.pdf


もう一人の受賞者は、元米国議会図書館勤務の吉村敬子氏。
吉村氏は米国議会図書館所蔵資料を中心とした日本の戦前・戦後検閲資料・文書の目録である、「戦前・戦後検閲資料及び文書」(全3巻)の刊行が評価されての受賞。

吉村敬子著 戦前・戦後検閲資料及び文書 -文生書院
http://www.bunsei.co.jp/index.php/ja/2009-10-22-09-03-31/465-yoshimurayoshikocho.html

吉村氏はワシントン在住のため、表彰式には出席されなかったが、代読された受賞の挨拶は非常に感動的で、この目録作成には20年の年月をかけたとのこと。
目録を作成することの意義を改めて認識することができた。


神奈川県立川崎図書館は、私も神奈川県資料室研究会の活動を通じて、懇意にしていただいているが、世界に誇るべき、県立の科学・産業系専門・公共図書館だ。半世紀以上に渡り、京浜工業地帯の産業活動を資料・情報の面から支えていたと言っても過言では無いだろう。


図書館サポートフォーラム賞は、このような、地味かもしれないが本当に意義のある活動にスポットを当てている賞なんだと、今回表彰式に出席して知ることができたし、木原氏と吉村氏の本当にすばらしい活動を知ることができた。
そしてそのようなすばらしい活動を取り上げ、表彰している、図書館サポートフォーラムという団体について知ることができた。
図書館サポートフォーラム賞の表彰式に出席することができて、本当に良かったと思うし、図書館サポートフォーラムについて今後も注目していきたいと思う。