文化庁の「著作権法入門2009」
前に、文化庁がサイトに掲載している「著作権テキスト」で、非営利・無料の権利制限に関する記述が、政府答弁を反映したものになっていることを書いた。
文化庁の「著作権テキスト」平成21年版が公開されていた。 - Copy & Copyright Diary
http://d.hatena.ne.jp/copyright/20090912/p1
この「著作権テキスト」はPDFで提供されているものだが、その紙版とも言える「著作権法入門」の2009年版が10月に出ていたので購入した。
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オンライン書店ビーケーワン:著作権法入門 2009
http://www.bk1.jp/product/03185017
同じように非営利・無料の権利制限に関する記述を確認してみた。
すると、「著作権テキスト」と同様の記述が104ページに記載されていた。*1
※ 本条にいう「営利」とは,反復継続して,その著作物の利用行為自体から直接的に利益を得る場合又はその行為が間接的に利益に具体的に寄与していると認められる場合をいいます。
また,本条にいう「料金」とは,どのような名義のものであるかを問わず,著作物の提供又は提示の対価としての性格を有するものをいいます。逆にいえば,授業料や入館料等を徴収している施設であっても,それらが著作物の提供又は提示の対価として徴収されているものでなければ,本条の「料金」には該当しません。
改めて言うがこの記述は非常に重要なものだ。
文化庁名義で出している出版物に記載されたことは本当に重要だ。
さらに言うと、この記述が影響するのは貸与権だけではない。
「上演」「演奏」「上映」「後述」「貸与」*2「放送の伝達」「放送番組の有線放送」について、この記述は関わってるくる。
何が「営利」で何が「料金」に該当するのかは、利用する側も権利者の側も、この記述に基づいて判断してみる必要があるだろう。