社会正義に反しない行為が「違法」とされた

「違法ダウンロードは社会正義に反さないが、権利者に悪影響」--文化庁:ニュース - CNET Japan
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20397569,00.htm

ダウンロード違法化、「アップ対策だけで秩序は保てない」:ニュース
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/news/20090730/1017487/

読んでいるうちに、怒りで手が震えてきた。
ふざけるなと言いたい。

個人のダウンロード行為が社会正義に反しているということではなく、それらが積もることで権利者などに悪影響を与えているということ。幸いにも日本人は遵法意識が高く、ルールの周知徹底を図ることによる効果は十分に期待できる」

「違法ダウンロードは社会正義に反さないが、権利者に悪影響」--文化庁 - CNET Japan

社会正義に反しない行為を、「違法だ」としてしまうことの、その重大さをどれだけ認識しているのだろうか?


著作権法を犯したことの無い人はほとんどいないだろう。私はそう考えている。
著作権法を厳密に守ろうとすればするほど、身動きが取れなくなってしまうと思っている。
だから私は、著作権ついて考える上で、自分は他者の著作権を侵害したことがあると言うことを念頭に置くように心がけているつもりだ。

著作権を語る上で大事なこと - Copy & Copyright Diary
http://d.hatena.ne.jp/copyright/20041110/p1

文化庁の職員といえども、著作権法を全く侵害したことない、と本当に胸をはっていえるのか?
もし、言えるのであれば、著作権についての意識が低すぎると思う。
著作権法は「遵法意識」だけではどうしようもない状況になっている。*1
中山先生はそれを

形式的には“一億総犯罪者”とも言える

「著作権は混迷」「ダメと言ってもネットは止まらない」──東大中山教授 - ITmedia NEWS

と語ったことがあるが、ダウンロード違法化は、その形式的な“一億総犯罪者”をより強化することになるだろう。


さらに、ダウンロード違法化を受けて、違法アップロードの摘発を強化しようとする動きもあるではないか。

なぜ今になって違法アップロードの取り締まりを強化するのか? - Copy & Copyright Diary
http://d.hatena.ne.jp/copyright/20090625/p1


ダウンロード違法化で形式的な「犯罪者」を増加させ、さらに摘発が強化されている現状は、川瀬氏が語っているようなものでは決してない。

*1:だから、私は権利制限をもっともっと拡大すべきだと思っているし、フェアユースの導入にも賛成だ。