JASRACの増収と私的録音録画補償金

JASRACが昨年度の音楽著作権使用料の徴収額を発表した。

JASRACの2007年度著作権使用料は1,156億円、放送や音楽配信が好調
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/05/14/19554.html

プレスリリース
社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)
2008年定例記者会見を開催
http://www.jasrac.or.jp/release/08/05_2.html

Internet Watchの報道によると、

私的録音補償金は30億4,417万円で前年度比22.0%減、私的録画補償金は20億4,595万円で同20.2%減だった。

ものの、*1

音楽著作権使用料の徴収額は1,156億7,055万円で、前年度から4.1%増加した。

とのこと。
私的録音録画補償金からJASRACに入った額は20%以上も減ったにもかかわらず、トータルとしてのJASRACの収入は4%増えているという点に注目したい。
JASRACの収入が増えているということは、「権利者」への分配金も増えているはずだ。
つまり、私的録音録画補償金が減っても、それを上回るだけの著作権使用料を集めることが出来るということを、JASRACが証明してくれた。
別に私的録音録画補償金がなくても、権利者が潤うことは可能だということだ。
私的録音録画補償金が無ければ文化は滅びると言わんばかりのCulture Firstの主張は、疑わしくなってしまった。
Culture Firstの一翼を担っているJASRACの増収によって。

*1:JASRACのプレスリリースに書かれている数字は一桁違っていて、私的録音録画補償金が3億414万、私的録画補償金が2億459円。前年比の数字はプレスリリースと同じ。