日本文化は、なぜブームで終わるのか。

著作権問題を考える創作者団体協議会の意見広告が昨日の朝日新聞に掲載されました。
他の新聞にも掲載されているかもしれません。
その広告の見出しは「日本文化は、なぜブームで終わるのか。」です。
地の文章では明記していませんが、著作権保護期間延長の意見広告ですので、著作権問題を考える創作者団体協議会著作権保護期間が著作者の没後50年だから日本文化はブームで終わるのだ、と考えているのでしょう。
著作権保護期間を著作者の没後70年に延長したら、日本文化はブームで終わらないのでしょうか?
それは、考えが甘いと思います。
夏目房之介氏の著書「マンガ 世界 戦略」では、このままでは日本のマンガ文化もカモネギ化してしまうと、警鐘を鳴らしていて、そうならないための具体的な提言もなされています。
しかし、その中に著作権保護期間の延長はありません。

マンガ 世界戦略―カモネギ化するマンガ産業

マンガ 世界戦略―カモネギ化するマンガ産業

保護期間の延長よりも、もっともっと他になすべきことがあると思います。
また、2004年の著作権法改正で、音楽レコードの還流防止措置が盛り込まれました。これは、日本のレコード会社がアジアに積極的に打って出るために必要だ、という理由で盛り込まれました。
しかし、それから2年以上経ちましたが、アジアで日本の音楽がどれだけ普及したでしょうか?
寡聞にして私は、還流防止措置をもうけたことでアジアで日本の音楽が爆発的に普及したと言う話を聞いたことはありません。
さらに言うと中国も韓国も台湾も、著作権保護期間は日本と同じ50年です。保護期間が同じでも簡単に普及するわけではないのです。
2004年の著作権法改正が、そのことを示していると思います。