貸与権管理センターの管理実績

本日届いた文化通信に、貸与権管理センターの記事が掲載されていた。

RRAC レンタルコミック 使用料徴収開始 3万3323点が権利処理対象に
文化通信. 第3679号, 2007年1月22日(月),4面

この記事によると、

1月中旬時点で契約している出版社は27社、著作者は2690人で、3万3323点の作品が権利処理の対象

で、

ほとんどの主要コミック出版社と40%以上のコミック作家と契約を結んで

いるとのこと。
しかしこの数字は、国会の場で貸与権が議論されていた時に出された数字と、大幅に乖離している。
2004年12月8日付けのエントリ(id:copyright:20041208:p2)で国会審議での発言をピックアップしているが、第159回通常国会参議院文部科学委員会(2004年4月20日)で素川富司参考人文化庁次長 当時)は

具体的には、少し具体的に申し上げますと、四千八百名の漫画家、作家、これは、漫画家につきましては大体七割程度、小説家、作家につきましては九割程度をカバーしているというふうに聞いているわけでございますけれども、この人たちが現在立ち上げを予定をしております出版物貸与権管理センター、これは仮称でございますけれども、ここに権利を預けるという予定であると聞いておりまして、三月一日にはその準備会が設置され、団体設立に向けた準備を行っているわけでございます。
(強調引用者)

と言っており、4800人が契約予定だと言っている。
しかし、現時点で2690人で、素川氏の発言の56%に過ぎない。
さらに問題なのは、素川氏が「4800人で漫画家の7割、小説家・作家の9割をカバーしている」と発言しているが、文化通信の記事は、2690人でコミック作家の40%以上だという。
2690人でコミック作家(≒漫画家)の40%以上なら、4800人で漫画家70%というのは大体計算が合う。
では作家・小説家の90%の人達は一体何処に行ってしまったのだろう。
国会の場で発言する内容には、責任を持ってもらいたい。