タダコピ

asahi.com:「タダコピ」大学で人気 用紙の裏、広告で無料 - 社会
http://www.asahi.com/national/update/1023/TKY200610230233.html

目の付け所が良いし、あっという間に普及するかもしれない。
コピーがタダっていうのは、やっぱ魅力的。

でも、それが心配。
「権利者」達が騒ぎはじめるんじゃないかと。

私的複製は著作権法第30条で権利制限されているので、著作権が及ばない行為になっている。
私的複製であれば、著作権者の許諾を得ること無しに、行うことができるのだ。
しかし、無条件に認められる訳ではない。

一 公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合

は、権利制限から除外される。
これによって、例えばレンタルビデオの店頭に自動ダビング機を設置しても、それを利用してダビングするには、著作権者の許諾が必要となる。

では、大学の生協などに設置されているコピー機を使ってコピーする場合は、どうなのだろうか。
著作権法の附則に、次のようにある。

(自動複製機器についての経過措置)
第五条の二 新法第三十条第一項第一号及び第百十九条第二号の規定の適用については、当分の間、これらの規定に規定する自動複製機器には、専ら文書又は図画の複製に供するものを含まないものとする。

この規定によって、大学の生協やコンビニなどに設置してあるコピー機を使ってのコピーも第30条の権利制限の範囲に含まれるのである。

この附則は、文献複写の分野で権利処理の体制が整っていないことが背景にあるのだが、これまでもこの附則を廃止すべきとの要望は、権利者団体から出されている。

タダコピ」が普及すると、ますます附則の廃止の要求が高まるんじゃないだろうか。

利用者にとっては魅力的なサービスだけど、普及しすぎると変な動きが出てきそうで、少々心配である。