録音図書の公衆送信

Yahoo!ニュース - 共同通信 - ネット上に「録音図書館」 視覚障害者、読書しやすく
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051217-00000141-kyodo-ent

点字図書館などが視覚障害者向けに録音図書を公衆送信できるようにすることについては、法制問題小委員会の報告書(案)の27頁(PDFの29頁め)で、権利制限すべき項目と結論づけられている。
法制問題小委員会については、私的録音・録画補償金制度について取り上げられることが多いが、障害者福祉関係の権利制限については、これまでほとんど取り上げられなかったと思う。
障害者福祉関係の権利制限では、

  1. 視覚障害者情報提供施設等において,専ら視覚障害者に対し,公表された録音図書の公衆送信をできるようにすることについて
  2. 聴覚障害者情報提供施設において,専ら聴覚障害者向けの貸出しの用に供するため,公表された著作物(映像によるもの)に手話や字幕による複製について また,手話や字幕により複製した著作物(映像によるもの)の公衆送信について
  3. 聴覚障害者向けの字幕に関する翻案権の制限について,知的障害者発達障害者等にもわかるように,翻案(要約等)することについて
  4. 私的使用のための著作物の複製は,当該使用する者が複製できることとされているが,視覚障害者等の者は自ら複製することが不可能であるから,一定の条件を満たす第三者が録音等による形式で複製することについて

の4点が検討されてきたが、認められたのは1件目だけ。
他の項目についても、一日も早く権利制限を認めてもらいたいと思う。