夏目漱石

夏目房之介の「で?」: 「漱石」についての気鬱な話
http://www.ringolab.com/note/natsume2/archives/003948.html

マンガコラムニストの夏目房之介氏が、夏目漱石の広告利用について巻き込まれたトラブルについて、書かれています。
夏目房之介氏のスタンスは次の通り。

漱石著作権はすでに戦後すぐに切れており、作品の利用は法的な問題はない。それでも広告に文を使いたい、映画や芝居にしたい、ついてはご許可を、みたいな電話はけっこう多い。肖像利用についても書籍、雑誌、広告など、問い合わせがかなりある。
(中略)
 どのみち、著作物のみならず漱石の肖像、イメージの利用、パロディなど、僕はいずれに対しても注文も文句もいうつもりはないし、いうべきものではないと考えている。基本的に「漱石」はすでにこの国の共有財産のような文化記号になっており、いかように利用されても、そのことに遺族が何かいうべきでもないし、そもそもいうべき責任を負えるものではないと思うからだ。

夏目氏のようなスタンスの方が増えれば、著作物の利用は促進されると思うのだが。
なお、夏目氏が最近出された「マンガは今どうなっておるのか?」に収録されている「マンガの遺族問題と業界へのグチ」では、マンガの「引用」について、ご遺族の理解が得られないことが障害になっている状況について、苦言を述べているが、その根底には夏目漱石についての上記のスタンスがあるからではないかと思う。

マンガは今どうなっておるのか?

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