国語テスト

asahi.com:国語テスト、消える長文 著作権理由で訴訟も - 暮らし
http://www.asahi.com/life/update/0925/003.html

作家や詩人の起こした訴訟により、教育現場が混乱しているという記事です。
朝日新聞著作権について時々いい記事を掲載します。

著作権の過剰な主張・過剰な保護が、社会に不利益をもたらす好例ではないでしょうか。
テスト問題に過剰な掲載料を主張したり掲載を拒否している作家・詩人たちには、文化審議会著作権分科会法制問題小委員会の「審議の経過」に記されている次の文章を是非とも読んでもらいたい。

著作権制度は文化の発展に重要な役割を果たしているが,社会における他の価値や制度との調和の上に成り立っていることを忘れてはならない。

これは「権利制限」の基本的な考え方について述べた文章だが、この問題にもそのまま言えることだと思います。


なお、この記事ではもう一つ、次の部分が気になりました。

過去の使用分については、文芸家協会が通常の使用料の年数分を求めているのに対し、JVCAの場合、会員によっては「違法使用」だったとして、使用料の3倍を求めるケースがある。

JVCAとは日本ビジュアル著作権協会のことです。
JVCAが文藝家協会よりも高い使用料を求めているという点が、非常に気になります。
私は以前より、著作権管理団体が複数あることは利用者にとって不利益であると述べてきましたが、このケースもその一つかもしれません。
複数の管理団体がある場合、後からできた管理団体の方が高い使用料を設定するというのは、文献複写の管理団体においても見られます。
なお、JVCAについて調べてみたところ、著作権等管理事業者としては登録されていませんでした。管理事業法の対象となる一任型ではなく、非一任型の管理事業を行っているものと思います。非一任型の場合は、管理事業法の規制を受けないので、使用料規定を公開する義務もありません。JVCAのサイトを見ましたが、やはり使用料規定は見つかりませんでした。
非一任型を対象外としている点も管理事業法の欠点の一つだと思います。