書籍は伸びている

上期、本・雑誌、販売額0.8%減――週刊誌8.7%減少響く、書籍は微増。
日経産業新聞. 2005年7月27日(水)3面

出版不況だと言いながら、書籍は伸びている。
去年の上期は、セカチューバカの壁、綿矢・金原の芥川賞コンビと、ベストセラーが続発していたが、その去年の上期よりもわずかとは言え書籍の販売額は伸びている。
足を引っ張っているのは雑誌。

雑誌の推定販売金額は一・七%減の六千三百億七千五百万円だった。月刊誌は〇・六%増と健闘したが、週刊誌が八・七%減となったことが響いた。

と、週刊誌の売り上げ減が大きいようだ。
何度も言うが、このように書籍が伸びているということは、出版不況の原因は図書館でも新古書店でもマンガ喫茶でもレンタルコミックでも無いということだ。
図書館でも新古書店でもマンガ喫茶でも、主として扱っているのは「書籍」であって「雑誌」ではない。(なお、マンガの単行本(いわゆるコミックス)は雑誌として扱われているが、記事によると「週刊誌の落ち込みが大きい」とあるので、コミックスは大きく落ち込んでいないと判断する)
出版界は、他者に責任を転嫁する前に、こういったデータをきちんと読んで欲しい。