JCLS社長交代

文献複写についての著作権の集中処理機構である(株)日本著作出版権管理システム(JCLS)の社長に、元文藝春秋社の早川義英氏が就任した。
JCLSの会社概要が4月22日付けで更新されていて、また文化通信速報版の4月22日付けでも報道されています。
また、文化通信第3595号(2005年5月1日)にも記事が掲載されています。

JCLS 委託社、契約者拡大目指す 新社長に元文春の早川氏
文化通信. 第3595号(2005年5月1日)6面

JCLSは医学・理工学系の出版社が中心となって(社)日本複写権センター(JRRC)から分裂して設立された集中処理機構で、早川氏の前は医学書院社長で文化審議会著作権分科会委員でもある金原優氏が社長を務めていた。
金原氏についてはここで何度か批判してきたが、著作権法を曲解した発言や、それに基づいた主張をすることが多かった。
また、使用料金は各権利者がそれぞれ設定する方式をとっているが、全体的にJRRC等に比べて高めに設定されており、Elsevierに至っては1論文2400円(+消費税)という設定になっている。
これまで、文献複写業者との契約は進んでいるが、一般企業との契約はほとんど進んでいなかった。
文化通信の記事には

権利者の権利を守るとともに、利用者がスムーズに利用できるよう簡単なシステムで許諾をする必要がある。委託出版者の拡大と利用者との契約を増やすことが私の使命

との早川氏の発言が紹介されているが、何故利用者との契約が進まなかったのか、利用者との契約を増やすためにはどうすればいいのかを、真剣に考えてもらいたい。
この社長交代によって、JCLSが良い方向に変わってくれることを期待します。