推理小説は一度読んだらおわり?

三田誠広氏は「漫画や推理小説なようなもの,推理小説は,読み終えて犯人がわかったら,もう二度と読まないというものが多い」と言うことをかねてから唱えてきた(id:copyright:20040903:p1)が、岡本氏も「誰でも分かる著作権」(ISBN:4793701329)の中で、同様のことを述べている。
同書の180ページから181ページにかけてのところで、購入した音楽CDをコピーしてそれを中古屋に売る行為が広がってきていることを述べる中で、推理小説を引き合いに出して次のように述べている。

例えば「推理小説」のようなものは一度読んでしまうと「手元に置いておく必要」が薄れるため、中古書籍店などに売られてしまうことがありますが、「音楽CD」は繰り返し聴くものであるため、本来は中古市場ができにくいはず。

それにしても推理作家達は、自分達が書いた小説が「一度読んだら手元に置いておく必要が無い」と言われているのに、反論を述べないのだろうか?
私は、推理小説は犯人が分かったら二度と読まない、とも思わないし、一度読んだら手元に置いておく必要はない、とも思わない。
それは読者を非常にバカにした発言だと思うし、そのような観点で著作権云々を語って欲しくはない。
推理作家はそのように思わないのだろうか?
少々挑発的に言うが、推理作家には作家としてのプライドは無いのだろうか。
作家として、自分が書いた小説にプライドあるのなら、彼らの発言は許しておけるものではないと、私は思うのだが。