出版物著作権管理センターは翻訳書籍と雑誌は管理の対象外

出版ニュース2005年1月下旬号の出版界スコープに、出版物貸与権管理センターが2004年12月17日付けでレンタルブック店宛に送付した「出版物の「貸与権」管理に関するお知らせと等センターへの登録のお願い」という文書が掲載されていた。
細かいところでつっこみたいところもあるが、細部には目をつぶろう。
しかし次の部分には目をつぶることはできない。

当センターは、原則として翻訳書籍、雑誌の貸与権については扱っておりません

私は、1年以上にわたって貸与権の問題をフォローしてきたつもりだったが、これは初耳だった。
国会審議の場において、許諾体制をどう構築するかについては、出版物貸与権管理センターを設立し、そこに4800人の権利者、つまり著作権者の8割〜9割程度が貸与権を委託する、という説明がなされていた。
私は4800人で著作権の8割〜9割というのは言い過ぎではないかと懸念していたが、やはり心配していたとおり、雑誌と翻訳書籍は対象外だったのだ。(それでも8割〜9割というのは言い過ぎだと思うが)
そのような重大な前提を、国会審議の場で触れず、法改正がなされた後で提示するのは後出しジャンケンだ。
こういうことこそアンフェアだと私は思う。
出版物貸与権管理センターが雑誌と翻訳書籍を管理の対象としないので、雑誌と翻訳書籍を営利もしくは有料で貸与することは非常に困難になるだろう。