マンガの引用

Sankei Webより

【横車】著作権意識
http://www.sankei.co.jp/news/040816/boo031.htm

パテントサロン経由
ここで述べられていることには、だいたい同意します。
私は、著作権者の意向を絶対視するような現在の風潮には、大いに危機感を感じています。
産経新聞でこのようなことが述べられていたことに、少し驚きましたが。
しかし、以下の部分には少々違和感を感じます。

現在刊行中の人気コミックスを、その内容のユニークさから一場面を紹介して掲載すべく出版社に許諾を得ようとしたら、なんと掲載料を請求されたという。

 キャラクターコンテンツがビッグビジネスとして成立する現在である。だからなのだろうか、新聞の文化欄での紹介であっても、掲載料を支払わなければならないとは、いささかびっくりした。

 こうなると、具体的な場面を紹介しながら展開するマンガ批評などは、成立しえなくなってしまう。

夏目房之介氏は具体的な場面を「引用」しつつ、マンガ批評を行っています。「引用」ですから、もちろん許諾はとらず、無断で自由に行えるのです。
出版界は、マンガの「引用」について許諾を取らなければならない、という誤解を改めるべきではないでしょうか。

繰り返しますが、「引用」は(要件を満たせば)「無断」で「自由」に行えるものです。マンガであっても、絵画であってもそれは同じです。